「攻めるだけ」の初心に戻って
古江彩佳がプロ初V。プラチナ世代の旗手に

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

◆「プラチナ世代」安田祐香インタビュー>>

 まさに一騎打ちだ――。

 デサントレディース東海クラシック(9月18日〜20日/愛知県・新南愛知CC美浜コース)の最終日、同じ通算11アンダーのトップタイからスタートした28歳の東浩子と20歳の古江彩佳が、抜きつ抜かれつのマッチレースを展開した。そして、2人が通算15アンダーで並んでプレーオフまでもつれた激闘を制したのは、古江だった。

 昨年10月の富士通レディースでアマチュア優勝(史上7人目)を遂げている古江は、実質今季がデビューイヤーとなる2000年度生まれの「ミレニアム(プラチナ)世代」であり、プロとしてこの世代の最初の優勝者ともなった。

「こんなに早く優勝できるとは思っていませんでした。前回の優勝は"攻めるだけ"という気持ちでプレッシャーなくやれた。今回は後半から緊張が始まって、身体がちょっと動かないシーンもありました」

デサントレディース東海クラシックを制した古江彩佳デサントレディース東海クラシックを制した古江彩佳 最終日は5番で東が先に抜け出すと、古江が8番、9番の連続バーディーで逆転。12番で再び東が追いつき、両者は通算14アンダーで並んで、最終18番ミドルホールを迎えた。

「最終日のラウンドは、守らなきゃいけないし、攻めなきゃいけないという状況で、(本心は)攻めたいけど、守りも必要だという気持ちが邪魔をしていました。やるしかないとは思っていたけど、一打に集中するのが精一杯だった。(バーディーチャンスが多かった東は)いつ入ってもおかしくなかった。入るだろうと思って、自分は自分のプレーに徹していました」

 最終ホールのバーディーパットは、古江が18m、東は7mだった。「吸い込まれるように入っていくとは思っていなかった」と振り返る古江が、先にロングパットを沈め、東も難しいラインを読み切って一歩も譲らない。

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