【木村和久連載】ピンキリある
プロゴルファーの収入を探ってみた (2ページ目)
けど、30万円前後の賞金を得ても、1週間の滞在費、交通費、人件費、食費などを考えると、むしろ赤字です。専属の帯同キャディーを雇うにしても、ギャラが発生しますからね。
だから、予算が少ない、あるいはキャディーが誰だろうとさほど気にしない人は、トーナメントコースのハウスキャディーを連れてラウンドします。微笑ましく見えますが、そういう選手のほとんどは、マジで台所事情が苦しいのです。
でも、トーナメントに出場して、予選を通過できる選手は、まだ恵まれているほうです。
プロテストに受かったけど、トーナメントに出場できない、もしくは試合には出場しているけど、予選落ち続きで賞金をもらえない、というプロはたくさんいます。
日本のプロ選手の数は、男女合わせてざっと4000人弱と言われています。そのうち、それなりに賞金を稼げるプロは、シニアを足しても200人程度。経済的に潤って、我々が羨むような、プロゴルファーらしい生活をしているのは、50人ぐらいじゃないですか。
あとは、一時でも活躍して名を上げれば、スポンサーがついたり、営業活動やレッスンをしたり、解説者となったりして、稼げます。けど、ほかの多くのプロは、どこぞのコースや練習場に所属しながら、素人相手に教えている――それが、現状だと思います。
こういう厳しい世界だから、ゴルフ場で研修生をやりながら、プロ入りを目指す選手は激減しました。それは、アマチュア時代に苦労していて、プロになったら、さらに困窮するのが目に見えているからです。
そもそも所属コースで、キャディーや運営の仕事などのバイトをしていては、腕前をアップさせる時間がありません。ゆえに、研修生ではなかなかプロになれないのです。
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