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【木村和久連載】出世の前に
知っておきたい?「法人ゴルフ会員権」 (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 安部政権になってから、企業の接待交際費枠をかなり認める方針となっています。つまり、お金をジャブジャブ使わせて、経済を回そうという魂胆です。

 ですから、法人会員権を使ってゴルフをしても、経費で落としやすいのです。もちろん、金額には限度がありますが、常識の範囲内であれば、ゴルフは接待交際費として扱われます。

 ゴルフは、本当に不思議な"スポーツ"ですよね。これが、取引先の人とスキーをやったとか、サッカーや野球をやったとか言っても、なかなか接待交際費では落とせません。経理の方に、「早朝、取引先の●●会社と草野球をやったので、グラウンドの使用料を経費で落として」とは、なかなか言えないですからね。

 最近、日本の企業の半分ぐらいが、社員の多くが派遣労働者になっていて、「社員」と言っても名ばかりであると、社会問題になっています。つまり、正社員ではないから、厚生年金の補助はないし、さまざまな優遇措置が適用されないというのです。

 そう考えますと、大企業の正社員、それも幹部クラスは、給料以上に恵まれた環境にいる、と言えます。

 ゴルフの会員権にはじまり、リゾート施設、福利厚生施設の使用料がタダ。接待交際費も使えて、積立金も会社が運用して利回りがいいし、住宅ローンも会社の低利融資が利くし......。

 さらに、会社がデベロッパーになって、ひとつの団地を開発して、そこに社員を住まわせる、そういう企業も昔は結構ありました。会社でも、家に帰っても、同じ人に会う弊害はありますが、まあそこは「ゆりかごから墓場まで」会社が全部面倒を見た、古き良き時代と解釈してください。

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