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【木村和久連載】口こそゴルフの
上手なれ。言葉は15番目のクラブ (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 そういうことを言われたときは、右肩の下がりを意識しすぎてますます変な当たりになったり、正面を向いたらスライスがひどくなったり、たいてい悪影響に働くことのほうが多いです。

 そういう私も、相当へんてこなスイングでプレーしていますから、以前は何度も"アドバイス"を受けました。でも、何回か口攻撃の洗礼を受けておけば、あとはどこ吹く風です。逆に言われ慣れて、同伴者が何を言おうが、微動だにしません

「おまえらの作戦には乗らないぞ」という気構えで臨んでいます。「いいから、このへんてこなスイングの男に勝ってから意見しろ」って、まあそんな気持ちですかね。

 他に、どういう口攻撃があるでしょうか?

 口攻撃はまこと正論を言うので、言われた本人も気づかないし、言った本人さえ気づかないことがあります。

 例えば、いつもパットをショートばかりしている人が、友だちに「ネバーアップ、ネバーイン。カップに届かない限り、絶対に入らないよ」と進言されます。言われたほうも、「まさにそうだ」と思って、カップを越えて大きく打っていきます。

 あげく、返しのパットも入らずに3パットばかり。「おかしいな......」とは思っても、アドバイスした友だちに今度は「ナイストライ! じきに入るようになるよ」と言われて、妙に納得してしまいます。でも、その日のパットは大崩れですけどね。

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