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【木村和久連載】口こそゴルフの
上手なれ。言葉は15番目のクラブ (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 同様に、「谷は越えてなんぼだから」と言われて、すごく大きめのクラブで打たされて、OBしたよりも叩いてしまうことがあります。

 あと、バンカーの、きついアゴの真下にボールが落下。ピンを狙わず横に出すのがクレバーな選択ですが、「何事も修行だから」とか「チャレンジ精神も大事」とかけしかけられて、その果てに、打っても、打ってもまったくアゴから脱出できず、"大滝詠一"をやってしまった......なんてことも。これもまたゴルフなりです。

 ゴルフにおいての正論的なアドバイスは、災難になることが多いのです。

 つまり、逆に言えば同伴メンバーとの勝負においては大きな"武器"になります。ただ、せっかく一緒に回っているのに、嫌な思いはさせたくありません。じゃあ、どうすれば、楽しく相手に叩いていただけるか?

 それは、「秘儀、若いキャディーさんイジリ」を実践することです。

 友だちに、女性のキャディーさんが来ると「キミ、下の名前はなんていうの?」と聞いて、「アケミです」なんて答えると、「あそう、じゃあ今日はアケミちゃんと呼ぶから」とファーストネーム呼びに始まり、「六本木は行ったことある?」「カラオケは何が得意?」とかプライベート話にまで及んで、ついには「アケミちゃんの『ファー()』って、すごくセクシーだな」とか、好きなことを言って場を盛り上げる輩がいます。
※ボールが曲がったときに出す、注意の掛け声。

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