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【木村和久連載】口こそゴルフの
上手なれ。言葉は15番目のクラブ

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第68回

 ゴルフってメンタルなスポーツですから、状況次第ではわずか30cmのパットすら入らなかったり、3連続でOBを出したりもします。

 そのメンタル面を最も左右するのが、同伴プレーヤーがふと投げかけた言葉なのです。

 例えば、同伴メンバーに「右側はOBだから気をつけてね」と、でっかい声で言われて、つい左側に打ってしまうことがあります。けど、左側には小川のようなクリークが流れていて、ワンペナとなってしまいました。すると、同伴メンバーは、「OBよりワンペナのほうがいいだろ、よかったね」と言いますが、はたしてそうでしょうか?

 右側をよく見ると、確かにOB杭が見えますが、すごく遠い位置にあります。しかもそのOBゾーンは山になっていて、ボールが転がって落ちてくる可能性が大いにあります。本来であれば、右側のOBはあまり気にしなくてよかったのです。結局のところ、同伴メンバーの口攻撃にまんまとやられた、というわけです。

 また、自分の目で見えるハザードなどはまだ確認できますが、スイングや立ち位置などは客観的に把握できないので、そうしたことをプレー中に言われると、かなり気になります。

「キミ、右肩が下がっているよ、ダフり気味でしょう」
「打つとき、必ず右方向を向いているね。だから、ボールが右に出るんだよ」

 よく耳にするのは、こうしたアドバイスです。

 確かにそうかもしれませんが、だからって、このラウンド中にどうしろというのでしょう? 悪いところを指摘するなら、直し方も言ってくれないと。

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