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「何も変わっていない」という菊地絵理香。
ではなぜ強くなったのか (6ページ目)

  • 古屋雅章●文 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

「男子と比べて筋肉がつきにくい女子は、筋トレなどで、短期間で飛距離を伸ばすのは無理。だから、トレーニングに加えて、クラブなどのマッチングによって、1年で平均2ヤードも伸びれば、もうすごいことなんです。それに、無理に飛距離を伸ばそうとすると、スイングを崩す可能性があるので、そのリスクを負うことはしないほうがいい。それで今年は、ドライバーの飛距離を伸ばすことに時間を割くよりも、ウエッジのほうを磨いていこうということになったんです。

 今の理想というか目標は、どんなに調子が悪くてもベスト10に入れるような選手になりたいな、と。ボミとかテレサ(テレサ・ルー/28歳、台湾)は、調子が悪くてもベスト10を外してこないじゃないですか。そこには結局、これさえやっておけば大丈夫、というものが彼女たちにはあるからだと思うんです。私にとっては、それが、ウエッジを磨くことなんです」

 今季、メジャー制覇を目標とする菊地。最後に、一番勝ちたい試合は何か、聞いてみた。

「やっぱり日本女子オープンですね。最高峰の試合ですから。でも、日本女子プロ選手権も獲りたいんですよ。プロしか出ない試合なので。女子オープンと女子プロ、そのふたつは獲りたいなって思いますね」

 女王イ・ボミには、清水重憲キャディーという名参謀がついているのは有名だが、菊地にも川口キャディーという名キャディーがついている。そのサポートを受けて、やるべきことがより具体的かつ明快になった菊地。次なる目標もしっかりと定まっている。そこに向けて突き進む彼女の勇姿に、これからも注目である。

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