【ゴルフ】賞金ランク2位。菊地絵理香を変身させた「ある暴言」 (2ページ目)
パッティング同様、菊地はショットからアプローチまで、そうやって練習の"質"を向上させて、技術的な強化を図ってきたという。
菊地が改めて、そうした技術面の向上に励むようになったのは、昨年の富士通レディースでの出来事がひとつのきっかけだった。
富士通レディースの最終日、単独首位に立っていた菊地は、終盤の17番、18番をパーでしのげば優勝できたが、まさかの連続ボギー。横峯さくらとアン・ソンジュとのプレーオフに持ち込まれてしまった。そして、プレーオフに向かう直前、菊地はその日バッグを担いでいた川口淳キャディーに、「そんなに2位ばっかりいらないんです......」と、なかば独り言のようにこぼしたという。
すると、川口キャディーから返ってきたのは、驚きの言葉だった。「いや、(菊地が勝てないのは)ただ単に技術不足なだけだから」と。これから大事な戦いに挑む選手に対しては、ある意味、暴言とも思える返答だった。
無論、川口キャディーに悪意ない。その言葉の真意を川口キャディーが説明する。
「あのコース(東急セブンハンドレッドクラブ・西コース)の17番(パー3)は、メンタルの弱い選手はティーショットで絶対に曲げるんです。でも彼女(菊地)は、優勝争いの中で最高のショットを打った。グリーン奥にこぼれはしましたけど、あの状況で、あのショットが打てるのであれば、決してメンタルは弱くない。彼女は(これまで自滅して負けてきたことを)そのせいに考えているように見えたから、そのことを強調したかったんです。
それに、アン・ソンジュ選手もそこでグリーンを外して、同じようなアプローチを2打目に残していたんですが、難しいアン・ソンジュ選手のほうがOKの位置に寄せてパーを拾い、彼女(菊地)は寄せ切れずボギーにした。技術的な差で(アン・ソンジュ)に追いつかれて、敗れたんです。だから、(自滅して)結果が出ないのは、あくまでもメンタルが問題ではないんだよ、と(菊地に)伝えたかった」
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