2014.04.03

【ゴルフ】「女王」の称号が森田理香子にもたらしたモノ

  • 野崎 晃●文 text by Nozaki Akira
  • photo by Nikkan sports

今季3戦目で早くも勝利を飾った森田理香子。 昨季、横峯さくらとの熾烈な争いを制して、初の賞金女王に輝いた森田理香子。「女王」の称号を手にした彼女は、今季もシーズン開幕と同時に躍動した。開幕戦のダイキンオーキッドレディス(3月7日~9日/沖縄県)でいきなり優勝争いを演じる(2位タイ)と、3戦目のTポイントレディス(3月21日~23日/佐賀県)では、早くも今季初優勝を飾った。

 森田にとって今季は、「女王」という名のプレッシャーとの戦いになると思われた。なにしろ、昨季終盤、森田はかなりナーバスになっていたからだ。6月までに3勝して賞金ランクトップを独走していながら、横峯に急追され、一度はその座を譲ってしまった。精神的な弱さを露呈し、一時、プレイでは消極的な姿勢が目立ち、メディア対応においても、記者の問いかけに苛立ちを隠せないでいる場面があった。

 昨シーズン終了後、そのときの心境を森田はこう語っている。

「昨季は、記者の方々から繰り返し聞かれる『賞金女王争い』についての質問がすごく嫌でした。『なんで、毎日聞いてくるの』って(笑)。正直、放っておいてほしかったです。(精神的に)すごく追い込まれましたし......」

 しかし今季、彼女からはそんな素振りは一切見られない。逆に堂々として、これまでの森田とは明らかに違う雰囲気を漂わせている。

「すごく周囲から『変わったね』って言われるんです。落ち着いているし、『女王の貫録が出てきたね』って。だからといって、実際に何かを変えたとか、そういうことは特にないんです。ただ、なんか違う目線で、自分のことを見られている自分がいるんです。例えばプレイ中、ここでスコアが出なかったとしても、『別に命をとられるわけでもないんだから』と冷静に見ている自分がいる(笑)。自分で自分に"余裕"を与えている感じがありますね」

「女王」という称号は、森田にプレッシャーではなく、精神的な"余裕"や"ゆとり"をもたらしたようだ。それはプレイに限らず、メディアへの対応や、そこで発する言葉の端々からも感じられる。