【欧州サッカー】「戦術はロナウド」 怪物ストライカーにイブラヒモビッチもベンゼマも憧れた
世界に魔法をかけたフットボール・ヒーローズ
【第44回】ロナウド(ブラジル)
サッカーシーンには突如として、たったひとつのプレーでファンの心を鷲掴みにする選手が現れる。選ばれし者にしかできない「魔法をかけた」瞬間だ。世界を魅了した古今東西のフットボール・ヒーローたちを、『ワールドサッカーダイジェスト』初代編集長の粕谷秀樹氏が紹介する。
第44回は、ブラジルが生んだ「怪物」ロナウドを紹介したい。圧倒的なスピードと研ぎ澄まされたゴール嗅覚で、ピッチに立てば無双状態。全盛期の彼を真正面から止められたディフェンダーはひとりもいなかった。
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ロナウド/1976年9月22日生まれ、ブラジル・リオデジャネイロ出身 photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る 元祖だろうが本家だろうが、呼び名がどうあれ、ロナウドはロナウドである。クリスティアーノ・ロナウドが築いたキャリア、そして40代でも若手に競り勝つフィジカルには、心から敬意を表する。それでもなお、「規格外のストライカー」をひとり挙げるとすれば、本名ロナウド・ルイス・ナザリオ・デ・リマの「ロナウド」だ。
フットボールの神様は、超一流のゴールゲッターに必要とされるスピード、テクニック、運動能力、得点感覚の全要素をこの男に与えた。インテルでプレーした1997-98シーズンからの5年間は、「フェノメノ(怪物)」と対戦相手に恐れられた。ブラジル代表ではワールドカップ通算15ゴール。当時は不滅の大記録と思われた数字だ(1位はミロスラフ・クローゼの16ゴール)。
とにかく、初速がすごかった。半身に構えてマーカーの圧を抑制し、ボールを受けた瞬間に反転しながら一気にスピードアップする。パオロ・マルディーニ、ファビオ・カンナヴァーロ、アレッサンドロ・ネスタなど、1990年代のカルチョ・イタリアーノで異彩を放った名DFでさえ、ロナウドの初速には苦戦していた。
また、マーカーを自らの間合い(1メートルほど)まで引きつけ、瞬時の緩急で手玉に取るドリブルは、比類なきスゴ技だった。タックルするタイミングすらないのだから、マーカーは無策をさらすしかなかった。
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著者プロフィール

粕谷秀樹 (かすや・ひでき)
1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年
、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、 海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム 、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出 版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン 社)など多数。


















