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レアル・マドリードのシャビ・アロンソ新監督は成功するか 気になる来季の陣容を予想 (2ページ目)

  • ミゲル・アンヘル・ディアス●取材・文 text by Miguel Ángel Díaz
  • 高橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki

【補強決定&候補の選手たち】

 再起を図るレアル・マドリードにとって、疲弊したDF陣の補強は不可欠である。迅速な動きを見せており、ボーンマスのスペイン代表センターバック、ディーン・ハイセンの加入を正式発表した。長身でありながら、勇敢でエレガントにボールを運ぶ姿が印象的で、3月のオランダ戦で代表デビューを飾り、マドリディスタにすばらしい選手であることを示した。移籍金は5800万ユーロ(約92億8000万円)で、3回に分けて所属元のボーンマスに支払われる。

 リバプールとの契約が満了するイングランド代表の右サイドバック、トレント・アレクサンダー=アーノルドも加入が決定した。クラブW杯に参加する予定である。

"ラ・ファブリカ(レアル・マドリードの下部組織の愛称)"時代、ラウール・アセンシオと一緒にプレーしたベンフィカのスペイン人左サイドバック、アルバロ・カレーラスともすでに合意しており、移籍金は5000万ユーロ(約80億円)程度になる見込みだ。

 さらに、アントニオ・リュディガーとエデル・ミリトンに対するフィジカル面の懸念から、もうひとりセンターバックを獲得する可能性がある。

 DF陣の刷新に続き、中盤の補強を求めるシャビ・アロンソの要望にもクラブは応えようとしている。コモに昨夏移籍したスペインとアルゼンチンの二重国籍を持つ下部組織出身のアルゼンチン代表MFニコ・パスに対し、800万ユーロ(約12億8000万円)の買い戻しオプションを行使するつもりだ。

 しかし、イタリアですばらしいシーズンを送った後で控えに甘んじることを望んでいないため、クラブW杯参加後の8月に、そのまま残留するか、再び移籍するかの話し合いが行なわれることになるだろう。

 クラブはその他にもMFの獲得を検討している。シャビ・アロンソはレバークーゼンで教え子だったドイツ代表MFフロリアン・ビルツを大いに気に入っているが、法外な移籍金が障害となっている。リバプールが1億ユーロ(約160億円)以上で獲得に動くと見られている。

「新たなトニ・クロース」と言われる、シュトゥットガルトのドイツ代表MFアンジェロ・シュティラーも獲得候補に挙がる。一方、同じくシャビ・アロンソのお気に入りだったレアル・ソシエダのスペイン代表MFマルティン・スビメンディは、アーセナル移籍が決定的となった。

 さまざまな候補が挙がるが、レアル・マドリードが巨額の移籍金を投じ、中盤の獲得に動くかどうかは定かではない。さらに、今季終盤すばらしいパフォーマンスを披露したアルダ・ギュレルや、サンティアゴ・ベルナベウでブーイングを受けたことをきっかけに一歩前進したオーレリアン・チュアメニに期待を寄せているため、最終的にひとりも補強しない可能性もあるだろう。しかし、ひとつはっきりしているのは、クロースとモドリッチの去った後、フィジカルの強い選手だけに賭けるのは危険だということだ。

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