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【プレミアリーグ】佐野海舟の市場価値が右肩上がり 滅法強い1対1は「マンC新時代」の旗手になれる能力 (3ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【佐野の個性が生きるクラブは?】

 もちろん、いつの日かステップアップの時はやってくる。ムシアラやヴィルツがブンデスリーガを飛び出し、ラ・リーガのメガクラブにチャレンジするかもしれない。トレント=アレクサンダー・アーノルドはリバプールで5年間プレーしたあと、レアル・マドリードに移籍する確率は99パーセントとも言われている。

 機が熟すまで待ったほうがいい、ということだ。少なくとも1年はマインツで攻守とも磨きをかけ、世界が放っておけないレベルに達してからの移籍でも遅くはない。佐野は24歳だ。焦る段階でもない。

 そして来シーズン以降のパフォーマンス次第では、プレミアリーグも佐野をレーダーに捉えるに違いない。1対1に滅法強く、運動量が豊富で、なおかつクレバーな中盤センターは希少だ。市場価値が現在の1900万ポンド(約35億円)から、2.5倍ほどの4700万ポンド(約88億円)前後に高騰していても、佐野にアプローチしてくるだろう。

 では、佐野の個性が生きそうなプレミアのクラブはどこか。たとえば、若返りを図るマンチェスター・シティは魅力的だ。

 成功のサイクルが終焉を迎え、10年間在籍したケヴィン・デ・ブライネが退団する。負傷が多く、回復まで時間を要するジョン・ストーンズは構想外。今冬にローンでACミランに去ったカイル・ウォーカーはキャリアの最後を飾るべく、古巣シェフィールド・ユナイテッドに向かう公算が大きい。イルカイ・ギュンドアンも明らかに衰えた。

 彼らに代わる新時代の旗手として、佐野が中盤センターに立つ。鳥肌もののシナリオ......いやいや、マンチェスター・Cはファイナンシャル・フェアプレー規則に抵触し、罰金ではなく大幅な勝ち点削減というペナルティを複数年、科されるリスクが高まってきているという。強化まで規制される、との見方も浮上してきた。

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