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サッカー日本代表入りもある? チェイス・アンリら今季ブンデスリーガデビューした4人の現在地 (4ページ目)

  • 林遼平●取材・文 text by Hayashi Ryohei

【最下位のチームで苦戦中】

三好康児(ボーフム/MF)

 今季、ブンデスリーガデビューを飾った日本人選手のなかで、最も苦戦しているのが三好康児だ。

 今夏の移籍市場ギリギリで加入したこともありやや出遅れると、第3節のフライブルク戦でインパクトを残したものの、ケガもあってそこからの3試合は出場が限定的に。そのあとは先発機会が少なく、なかなか結果を残せていない。

 チームが低迷しているのも難しさのひとつだ。今季から指揮官が変わり、昨季とは違って多少なりともポゼッションスタイルを入れ込もうと思ったが、なかなかチームに浸透させることができず。指揮官交代によって流れが変わるかと思われたが、第10節のレバークーゼン戦で三好が途中出場から劇的な同点弾を奪ったものの大きく序列が変わる気配はない。

 少し雰囲気が変わってきた第14節のウニオン・ベルリン戦では、先発出場するも13分で退場処分を受けるという不運も重なり、三好にとっては思いどおりのハーフシーズンを送ることができなかった。

 ただ、ピッチに立てば、三好の力がブンデスリーガの舞台でも通用するところは垣間見せている。前述したレバークーゼン戦も短い時間のなかで存在感を発揮。巧みにボールを引き出しては前線に絡み、後半アディショナルタイムには見事なゴールでチームに勝ち点1をもたらした。本人もブンデスリーガでやっていける手応えを感じており、出場時間さえ増えれば結果を残してくれそうな雰囲気もある。

 だからこそ、あとはトレーニングからのアピールや少ないチャンスを生かすのが重要となる。今は苦しい時期であることは間違いないが、アントワープやバーミンガムでもそういった時期を乗り越えてきた経験もある。クラブがリーグ最下位と苦しい状況にあるなかで、後半戦の救世主となれるか。自身の力を証明し、現状を打破していきたい。

著者プロフィール

  • 林遼平

    林遼平 (はやし・りょうへい)

    1987年生まれ。埼玉県出身。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることに。帰国後、サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして各社スポーツ媒体などに寄稿している。2023年5月からドイツ生活を開始。

【写真】ワールドサッカー「新」スター名鑑

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