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サッカー日本代表入りもある? チェイス・アンリら今季ブンデスリーガデビューした4人の現在地 (3ページ目)

  • 林遼平●取材・文 text by Hayashi Ryohei

【下位で苦しむチームのなかでここまで6得点】

町野修斗 (キール/FW)

 クラブ史上初のブンデスリーガ昇格を果たしたキールで新シーズンに挑んだ町野修斗は、浮き沈みの激しいハーフシーズンを過ごした。

 序盤戦は絶好調だった。開幕スタメンをもぎ取り2トップの一角やトップ下の位置で起用されると、巧みなポジショニングでボールを引き出しては前線から鋭いプレスを敢行。もちろんそれだけでなく、隙を見逃さずにゴール前に進入して得点に絡むなど、その存在感は抜群だった。実際に5試合を終えて4得点を奪った時点では、今季の町野の大爆発を予想した人も少なくないだろう。

 ただ、町野自身というよりも、チームが苦しい状況に陥ったことが結果的に町野を苦しめた。開幕5試合で4得点を奪った期間も、チームは1分4敗となかなか結果が出ず、第8節までひとつも勝利を得られなかった。

 迎えた第9節のハイデンハイム戦で今季初勝利を得るのだが、この試合で町野は出場機会を与えられず。チームとして失点が増えていたこともあり、守備を第一に考えた戦い方を選択するようになったため、町野はベンチを温める時間が増えてしまった。

 それでも、数少ないチャンスを掴むために準備を続けてきた成果が、ウインターブレイク前最後の第15節アウクスブルク戦で花を開くことになる。その前の試合のボルシアMG戦後に「あと1、2点取って、5得点に乗せてウインターブレイクに入りたい」と語っていた町野は、序盤からアグレッシブなパフォーマンスを披露。見事な直接FK弾を含む、2ゴール2アシストの大活躍で、チームに今季2つ目の勝利をもたらしたのだ。

 まさに有言実行のパフォーマンスは、今後の戦いに影響をもたらす可能性が大きい。前述したようにチームの守備への意識が高まったことで失点は減ったが、得点数も減っていたのだ。そのなかで町野の活躍により9試合ぶりの複数得点。このインパクトは指揮官に伝わるはずだ。

 我慢の時期もすごしたが、最後に2025年へとつながる結果を残した町野。残りのシーズン、どこまで得点を積み上げるか注目したい。

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