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荻原拓也「夢が叶った」CL初出場 バイエルン戦で初ゴールも「残酷なほどの差を感じた」 (3ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke

【CL初ゴールは「意外と冷静でした」】

「体力的にはすでにキツい状態だったのですが、いい状態でビルドアップに関われて、ミシッチとのワンツーで相手を剥がすことができました。パスがつながった流れがよく、スピードにも乗れていたので、気がついたらゴール前まで身体を運べていた感覚でした。

 相手もハイラインだったので、瞬間的にスプリントをかければ抜け出せる自信はあったので、いいタイミングで走れたことがゴールにつながったんだと思います。

 シュートシーンはタイミングが難しかったのと、自分はFWではないから、GKと1対1になる経験が少なかったので、『えっ、もうゴール前なの?』みたいな感じ。少しふわついたんですけどね。

 それもあって、ちょっとおぼつかないところもあり、足を踏み換えた瞬間にGKに詰められたので、股下を抜くか、ループを狙うしかないと思って、股下を狙いました。最後のところは、意外と冷静でした」

 ベンチに下がる73分までに5失点を喫し、その後もディナモ・ザグレブは4失点を許した。荻原は「何度も試合を見返しましたけど、何から話したらいいかわからないくらい、いろいろなミステイクが積み重なっていたので、どこを反省すればいいかもわからない試合でした」と話す。

「一番の印象は、前半から試合をしていて、体力的にしんどいというか、苦しかったこと。それこそ得点したあとも、体力的にキツくて吐きそうなくらいでしたから。今まで経験したことのないようなキツさでした」

 今年1月にプロとしての自信を培った浦和レッズを飛び出し、ヨーロッパに渡り、目指してきた最高峰の舞台に立って感じたことは多い。

「当たり前のことなんでしょうけど、とんでもないスピード感でプレーしているなかでも、バイエルンの選手たちは、技術的なミスがまったくなかった。点と点で合わせるプレーも当たり前のようにやっていたし、それがトップレベルのクオリティだということを実感しました。

 あと、何がすごいかって、全員が常にゴールに直結するようなプレーをしていたことでした。たとえば、状況的にはゴールから遠ざかるプレーであっても、それも最終的にはゴールに直結する流れのひとつになっていた。

 だから守る僕らは、一方向を意識するのではなく、常に360度、全方向のリアクションをイメージしなければいけなかった。そこにずっと恐怖心を感じながらプレーしていました」

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