荻原拓也「夢が叶った」CL初出場 バイエルン戦で初ゴールも「残酷なほどの差を感じた」 (4ページ目)
【FWケインは捕まえるのがかなり大変】
それでも体験しなければ掴めなかった手応え、経験しなければわからなかった学びがある。
「チームとしては、後半の数分間は流れを引き寄せられたように、エネルギッシュに戦って相手にプレッシャーをかけて、ボールホルダーに自由を与えない構図を作れれば、もっと戦えたのではないかという教訓を得られました。
個人としては、チームとしての勝利を大前提にしつつ、今回は1対1の状況でのプレーも意識していました。1対1でバトルできるシーンも意外とあったのですが、そこでは相手を引っかけてボールを奪えることもできたし、直接、ガバッと抜かれてやられるようなシーンはなかったので、守備での1対1では戦える自信も得られました」
バイエルンと対戦して、特に印象に残った選手はいるかと聞くと、「全員がヤバかったですよ」と答えつつ、目を輝かせて教えてくれた。
「特にケインはヤバかったですね。何でもできるストライカーというか。中盤に降りてきて攻撃の組み立てに参加するFWは、最終的にゴール前に入ってくることができない選手もいますけど、ケインの場合は起点になりつつ、ゴール前にも必ず顔を出していた。それでゴールもしっかり決めるので、マークするDFとしては捕まえるのがかなり大変ですよね」
2-9の大敗を受けて、ディナモ・ザグレブは、セルゲイ・ヤキロヴィッチ監督との契約解除を発表した。
「監督が交代したように、クラブの歴史においても、大きな敗戦を引き起こしてしまったという感覚はあります。そこは重く受け止めていますし、相手がバイエルンだったからのひと言では済ましたくはない。
ゴールを決めたことで称賛してくれる人もたくさんいましたけど、自分としてはやっぱり悔しい。その悔しさはボディーブローのように効いてきて、痛みとして、どんどんと心に重くのしかかっています」
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