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荻原拓也「夢が叶った」CL初出場 バイエルン戦で初ゴールも「残酷なほどの差を感じた」 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke

【バイエルンは一瞬でゴール前までボールを運ぶ】

 最終的にオフサイドになったが、8分にダイレクトパスをつながれ、ジャマル・ムシアラにゴールを割られた時には、すでに相手の脅威を感じ取っていた。

「ゴール前に人はいるけど、簡単にゴール前へと進入されてしまう感じでした。こちらの対応はすべて後手に回り、一人ひとりがどこにポジションを取ったらいいかわからないような状況に陥ってしまいました。

 たとえばですけど、相手の展開の速さについていけず、センターバックとボランチが入れ替わってしまったり、誰が誰のマークにつけばいいのかもわからなくなったりするような感じで、プレーしていてどこか悲しくなるというか、残酷なほどの差を感じました」

「残酷」とまで言い表した相手の脅威を、さらに説明する。

「縦パスが入ってからゴール前に行く瞬間的な進入スピードが、とにかく鋭かった。

 これもたとえばですけど、右サイドを攻められている状況では、逆サイドにいる自分は時に傍観者になる場面もあるじゃないですか。自陣のゴール前へポジションを取り直そうとしていても、プレーに関与できない瞬間ってありますよね。

 でも、バイエルンは、それを見てしまうと一瞬でゴール前までボールを運んでくる。まさに『瞬(まばた)きする間に』という表現が正しくて、あっという間にゴール前に運ばれて、あっという間にDFの裏を取られて失点していた」

 それでも0-3で折り返した後半、ディナモ・ザグレブは、投入したルカ・ストイコヴィッチを起点に反撃姿勢を見せると、48分にブルーノ・ペトコヴィッチが1点を返す。

 そして50分、荻原が自陣からボールを持ち運ぶと、中央のヨシプ・ミシッチへパス。ミシッチからスルーパスを受けた荻原は、バイエルンのGKスベン・ウルライヒと1対1になると、股下を抜くシュートを決めた。

 ウイングバックながら、CL初出場にしてマークしたCL初得点だった。

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