【MLB】「小さいから通用しない」は完全崩壊 山本由伸が破壊したメジャーの偏見と日本投手バブル時代の到来
メジャースカウトが見た日本人選手の現在地(後編)
(前編:メジャースカウトが語る侍ジャパン戦士のリアル評価はこちら>>)
「小柄な日本人投手は通用しない」──かつてメジャーに根強くあったこの常識が、いま大きく揺らいでいる。その評価を覆した象徴的存在がドジャースの山本由伸だ。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を視察したメジャースカウトは、日本人投手に対する見方の変化をどう感じているのか。
2023年のパ・リーグ新人王のオリックス・山下舜平大 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る
【山本由伸が変えた評価】
── 日本人投手の評価について、近年大きな変化があったと伺いました。とくに「体格」に関する見方はどう変わったのでしょうか?
以前は「小柄な日本人投手は不利だ」という強い固定観念が、メジャー関係者の間にありました。僕がスカウトを始めた当初も、「アメリカ人は体が大きく、日本人は小さい。だからダメだ」と切り捨てられるようなこともありました。しかし、今は違います。同僚のスカウトからも、「固定観念は捨てるべきだ」という声が出始めています。
── きっかけはなんだったのですか。
山本由伸の成功です。ご存じのとおり、彼は身長180センチに満たず、NPBの選手のなかでも小柄な部類に入ります。かつては「身長が低いとボールに角度がつかない」という見方が支配的でした。しかし、彼はそれを打ち消すほどのストレートの伸びと鋭い変化球、そして抜群の制球力を備えています。これは身長190センチの投手にも勝るとも劣らないアドバンテージだと思います。
角度の話をするなら、たとえば山岡泰輔(オリックス)も山本由伸と同じくらい小柄ですが、すばらしい「球の角度」を生み出すことができる投手です。投げ方次第で身長が低くても、角度のあるボールは投げられるのです。
── メジャーが注目する選手は、やはり投手中心なのでしょうか。
圧倒的に投手ですね。割合で言えば「投手8割、野手2割」という感覚です。今回WBCに出ていない選手も含め、逸材はゴロゴロいます。
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著者プロフィール
木村公一 (きむらこういち)
獨協大学卒業後、フリーのスポーツライターに。以後、新聞、雑誌に野球企画を中心に寄稿する一方、漫画原作などもてがける。韓国、台湾などのプロ野球もフォローし、WBCなどの国際大会ではスポーツ専門チャンネルでコメンテーターも務める。














































