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サッカー日本代表もJリーグも 結果に一喜一憂するだけではその魅力の一部を放棄することに

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama

連載第83回
杉山茂樹の「看過できない」

「本当のワールドカップが始まるのは日本が負けてからだ」

 そう認識しているサッカーファンは少なくないだろう。実際、前回のカタール大会まではそうだった。1998年のフランス大会以降、7大会連続本大会出場を果たしている日本だが、最高位はベスト16。グループリーグ落ちは3回に及ぶ。日本は毎度、大会が佳境に入る前に舞台から消えている。

 その瞬間は、とても残念な気持ちに襲われる。しかしながら、ほどなくすると俄然、観戦意欲が湧いてくる。一流のサッカーの試合にストレートに没頭できる喜びに包まれる。自国の勝ち負けに一喜一憂しながらサッカーを観戦することも、それはそれで楽しい行為ではあるが、いいサッカー、ハイレベルなサッカーを、中立な視点に立って他意なく鑑賞する行為にも、感激は確実に待ち受ける。

 日本代表のサッカーに一喜一憂することだけが観戦方法のすべてではない。ナショナリズムを無にした状態でも十分すぎるほど楽しめる。それは忘れてはならないサッカーの魅力である。

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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