なぜアメリカは女子サッカーが大人気なのか? 現地日本人コーチが語る日米のリアルな格差 (4ページ目)
アメリカの女子サッカーの選手登録数は100万人以上と言われているが、日本では5万人ほどにすぎず、その差はまだまだ大きい。実際、リグレーフィールドでの試合にも多くの少女が観戦に訪れて、声援を送っていたのが印象的だった。
環境においても、練習場やトレーニング施設などが充実しているアメリカに比べて、日本はその厳しいプレー環境が取り沙汰されることも多い。
「アメリカの女子サッカーには長い歴史があります。加えて、カレッジ・サッカーも時間をかけて成熟してきました。コミュニティに根ざした女子サッカーの普及が進んできたんです。日本のWEリーグはまだ発足して3年。きっとこれから活動が続いていくなかでもっと認知されるはずです」
そしていっそう語気を強めると、辺見はこう締めくくった。
「日本の代表チームはワールドカップの優勝などすばらしい実績があります。それに日本の選手は技術レベルも非常に高く、戦術理解能力も世界トップクラスです。優れた若手選手もたくさん育ってきているし、何よりすばらしい指導者がたくさんいます。近い将来、日本がまたワールドカップで優勝できると思っています。僕も指導者としてもっとレベルアップして、いつか日本のサッカー界に貢献できたらいいですね」
そう語る"マック"の、柔和な笑顔の奥の瞳は、日本スポーツ界の未来を見つめていた。
著者プロフィール
Saku Yanagawa (サク・ヤナガワ)
アメリカ・シカゴを拠点にするスタンダップコメディアン。2021年経済誌『フォーブス』の選ぶ「世界を変える30歳以下の30人」に選出。年間50試合以上をスタジアムで観戦するほどのシカゴ・カブス・ファン。
フォトギャラリーを見る
4 / 4