橋岡大樹のプレミア移籍も実現 シント・トロイデンはいかにして日本に欠かせぬクラブとなったのか (6ページ目)

  • 中田 徹●取材・文 text by Nakata Toru

── ベルギーのあるビッグクラブが日本人選手を獲得したけれど、そのマネタイズがうまく行かず立石CEOに相談したそうですね。

「ベルギー国内でシント・トロイデンの日本のスポンサーが突出しているわけです。ほかのクラブもそのことを知っているから『日本人選手を獲得したら、日本からスポンサーがついてくるんじゃないか』って私に言うんだけれど、それは絶対に無理。うちは4人くらいのスタッフが日本で営業しているんですが、それでもまだまだです。そもそも、うちと同じようなことはどのクラブもできることではないですからね」

── 今、日本で一番知られているベルギーのクラブはシント・トロイデンで間違いないです。

「渋谷の『STVV LOUNGE』にベルギー人観光客がやってくる。シント・トロイデンと取引のある会計事務所の会長が『日本のどこに行っても、タクシーに乗るとシント・トロイデンの広告がある。日本でシント・トロイデンは信じられないほど有名だ』と驚いてました(笑)」

(後編につづく)

◆立石敬之・後編>>「シント・トロイデンは21番目のJ1クラブ」


【profile】
立石敬之(たていし・たかゆき)
1969年7月8日生まれ、福岡県北九州市出身。国見高校時代は国体・選手権優勝を経験し、卒業後にECノロエスチ(ブラジル)、ベルマーレ平塚、東京ガス、大分トリニータなどで活躍。現役引退後はエラス・ヴェローナ(イタリア)や大分、FC東京でコーチとなる。2015年からFC東京のGMとして手腕を奮い、2018年よりシント・トロイデン(ベルギー)のCEOに就任。現役時代のポジション=MF。

著者プロフィール

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