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三笘薫、完全復活 1対1はほぼ全勝 ブライトンは左ウイングにボールを集めた (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【3日前とは別人のような躍動】

 だが胸をなで下ろしたのも束の間、後半20分、ブライトンはGKのフィードからカウンターを浴び、ジェームス・ミルナー(元イングランド代表)が、突進する左ウイング、ミハイロ・ムドリク(ウクライナ代表)を倒し、PKを献上。これをエンソ・フェルナンデスに決められ1-3とされた。
 
 そのキックオフの後、ボールを受けたビリー・ギルモア(スコットランド代表)が、まず探した相手は三笘で、その鼻先にインフロントでフワリとした軽いタッチの縦パスを送った。

 それは久々に拝む三笘のウイングプレーだった。浮き球のトラップがまず秀逸だった。トラップとドリブルが境界のない一連の連続動作になっていた。高級なプレーがいきなり、挨拶代わりのように飛び出した。そしてそのままゴールライン際から折り返せば、中央に飛び込んだイヴァン・ファーガソン(アイルランド代表)への惜しいラストパスになった。

 その間、対峙する左SBアクセル・ディサシ(フランス代表)は抵抗することができずじまい。三笘の完勝だった。3日前の三笘とはそれこそ別人のようだった。

 ブライトンの選手は三笘が完全に調子を取り戻したと確信したのか、1分と経たぬうちに再び左ウイングにボールを運んだ。折り返しはチアゴ・シウバ(ブラジル代表)に跳ね返されたが、この2プレーで、三笘にボールを集めればチャンスになることが誰の目にも明らかになった。

 3回目のプレーは、さらに三笘らしかった。内を突くと見せかけ、大きな切り返しのフェイントから縦を突く。アルペンのスラロームを彷彿とさせる鋭く舞うようなターンで、チェルシーDFを混乱に陥れたのだ。

 ここまで絵になるドリブルをする選手は、世界を見渡してもそうザラにいない。完全復活である。ブライトンの選手はボールを奪うや、ジェスチャーつきで左ウイング方向を指した。突破口を三笘の切れ味鋭いウイングプレーに求めようとした。1対1は全勝に近かった。後半37分には惜しいヘディングシュートも放っている。繰り返すが、3日前が嘘のような躍動ぶりだった。

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