久保建英とラ・リーガの主な右サイドアタッカーをデータで比較「上回る選手はいない」

  • ロベルト・ラマホ●取材・文 text by Roberto Ramajo

レアル・ソシエダは現在、代表ウィーク後からクリスマス休暇までの26日間で8試合という過密日程の真っ只中。そのなかで久保建英は、今季ここまで総合的に活躍を続けていると地元スペイン人記者は指摘する。今回はスペイン紙『アス』およびラジオ局『カデナ・セル』でレアル・ソシエダの番記者を務めるロベルト・ラマホ氏に、ラ・リーガ内で久保と同じように右サイドで活躍する攻撃的な選手をデータで比較してもらった。

【右ウイングで総合的に活躍しているデータ】

「相手に臆することがない」

 それが久保建英の最大の長所であり、それは彼の備えるクオリティー、スピード、ダイナミズム、ポリバレントな能力に由来している。

久保建英はラ・リーガの右サイドアタッカーのなかで総合的に高い数字を残している photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA久保建英はラ・リーガの右サイドアタッカーのなかで総合的に高い数字を残している photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIAこの記事に関連する写真を見る この日本人選手を特徴づけているのは、たとえ調子が悪くとも、たとえ物事が望むようにうまくいかなくとも、たとえどんな状態であろうとも、常に挑戦し続けるという強い気持ちを持って戦っていることだ。

 だから今、シーズン開幕時のような決定的な成績を残せていないにもかかわらず、久保は毎試合、傑出した選手のひとりとして名を連ねている。

 これまで出場したすべての試合において、久保はテレビのハイライトシーンに登場するようなスペクタクルなプレーを少なくとも1度は披露しており、総合的な数字に反映されている。今季ここまで4-3-3の右ウイングとして、ラ・リーガ14試合で5得点2アシストを記録しているが、その特徴は多岐に渡る。

 対戦チームの左サイドバックと対峙した際にドリブルを仕掛ける能力が高く、足元でボールを扱う巧みさを最大限に生かし、外に開いてクロスを上げ、カットインしてゴールを狙うこともできる。また相手の裏を突くだけでなく、後ろに引いて守備を固めてきた相手に対しても、うまく対応する力がある。

 そこまでシュートが多い選手ではないが、相手ゴール前で非常に効果的に機能し、ここまでの19本のうち枠内シュート11本はラ・リーガで8番目に多い。またクロスの成功数は12番目に多い14本、持ち味であるドリブルの成功数は21回で11位につけている。

 ラ・リーガの3分の1を消化した時点で、久保のことをジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)やアントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード)と肩を並べる、最も優れた選手たちのなかに入っていると評価する人もいるほどだ。

 ここ数試合そのパフォーマンスに疑問が持たれているとはいえ、これまでその実力を遺憾無く発揮してきた彼をそのグループから除外することなどできない。

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