久保建英とラ・リーガの主な右サイドアタッカーをデータで比較「上回る選手はいない」 (2ページ目)

  • ロベルト・ラマホ●取材・文 text by Roberto Ramajo

【久保と同じ右サイドのアタッカーを比較すると...】

 ラ・リーガには今季、久保のように活躍している右サイドのアタッカーが何人かいる。そして今季の現時点に限定した場合、久保よりも調子の良い選手がいるという意見には同意できる。しかしシーズン開幕からここまでを通じてのパフォーマンスとなると、久保を上回る選手はおそらく存在しない。

 そのような選手として、ラフィーニャ(バルセロナ)、イニャキ・ウィリアムズ(アスレティック・ビルバオ)、イシ・パラソン(ラージョ・バジェカーノ)などが挙げられる。

 このなかで、ラ・レアル(レアル・ソシエダの愛称)と同じ4-3-3のシステムのなか、左利きでありながら右ウイングでプレーしているラフィーニャが、久保に最も似た特徴を持つ選手と言えるだろう。

 しかし技巧派というより縦への意識が強く、久保とはプレーに対する考え方に違いがある。またダイアゴナルの動きで中に切り込むことが多いため、クロスの成功数は5回と多くない。ここまでドリブルを13回成功させ、2得点2アシストを記録している。

 イニャキ・ウィリアムズは4-2-3-1の右サイドハーフとしてアスレティックを牽引している選手。右利きやスピードを最大の武器としている点で久保と異なる。

 相手DFの背後に走り込むスペースがある時に最も大きな効力を発揮でき、ドリブル成功数は27回とラ・リーガで7番目に多い。またシュート力に優れ、ラ・リーガ最多23本の枠内シュートを打っている。ここまで7得点で得点ランキング5位につけ、さらに3アシストを記録している。

 4-2-3-1の右サイドハーフでプレーするイシ・パラソンも右利きの選手。久保と大きく異なる点として、静的なプレーをするという特徴がある。チームメイトとの連係やロングパスを主体にプレーし、しばしばポジションを中央に据え、サイドアタッカーというよりもMFに近い役割を果たしている。

 シュートの巧さに定評があり、ラ・リーガで3番目に多い枠内シュート16本を放っている。ここまでの成績は2得点1アシストである。

 前記には名を挙げていないが、万能型のFWであるロドリゴ(レアル・マドリード)も紹介したい選手だ。今季はベリンガム加入によりシステムが4-3-3から4-4-2に変更されたことにより、以前とは違うポジションでプレーしているが、これまでカルロ・アンチェロッティ監督指揮下ではずっと右ウイングで起用されてきた。

 得点感覚に優れ、ここまで6得点4アシストを記録している。シュート数はラ・リーガ最多の36本と積極的にゴールを狙い、枠内シュートはイシと並ぶ16本。ドリブル成功数はチームメイトのヴィニシウスと並ぶ30回で、ラ・リーガでブライアン・サラゴサ(グラナダ)、ニコ・ウィリアムズ(アスレティック・ビルバオ)、サビーニョ(ジローナ)の左ウイング勢に次ぎ4番目に多い。

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