久保建英の開幕3試合をスペイン人記者が分析 サポーターがつけたバスク語の愛称とは (3ページ目)

  • イケル・カスターニョ・カベージョ●文 text by Iker Castaño Cabello
  • 髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki

【課題は安定したパフォーマンスの維持】

 久保はラ・レアルでの初年度、瞬く間にチームにフィットしてドリブルを武器に9ゴールを決め、さらにアシストも記録してチームに多くの勝ち点をもたらした。またレアレ・アレーナのピッチで見せた印象的なプレーで、チームを長年愛するサポーターの愛情もすぐに勝ち取っていた。

 そのため久保は今季、昨季以上に大きな役割を担った状態でスタートしている。チームはリーガで5年連続の欧州カップ戦出場権を獲得し、CLでできる限りの好成績を収め、国王杯では上位進出を狙うことを目標に掲げているが、それを成し遂げる上で久保は間違いなくキーパーソンになるだろう。ケガさえなければ、昨季のように出場時間を十分得られるはずだ。

 イマノル・アルグアシル監督は開幕前、久保がラ・レアル初年度で成功を収めた要因を聞かれた際、「タケは昨季だけでなく、それ以前から自分の能力や才能、資質を示していた。昨季はすばらしいシーズンを送っていたが、すでに大きな才能を持っていたため、今さら我々が見出すものなど何もないだろう」と自分たちのおかげではないことを強調した。

 続けて、「彼はハードワーカーであり、サッカーが大好きで、サッカーのために生きており、非常にうまくチームに適応している。本当に努力しているし成長しているよ」と向上心の強さを高く評価している。

 久保にとって今季は、ラ・レアルでの地位を確固たるものにする1年となる。そんななか、改善すべき点のひとつとして、安定したパフォーマンスを維持することが挙げられる。

 昨季は多くの試合で重要な役割を果たしていたが、存在感が薄い試合もあった。その点を向上できれば、さらなる進化を遂げられる。またプレスに関与する回数は増えているが、守備面も改善の余地がある。

 しかし久保は、自分のストロングポイントをうまく発揮できれば、おそらくチームで最も試合に影響を及ぼすことができる選手になれるだろう。外から中へと切り込む卓越した能力に加え、幾度となく試みているシュートをさらに磨き上げれば、昨季のゴール数を上回り、2桁の大台に乗せるのも夢ではない。

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