久保建英のレアル・ソシエダ新シーズン始動 陣容の変化は最小限でも不安要素は少ない (3ページ目)
現有戦力で最も注目されるのは、やはり久保だろう。久保が移籍してくる前のラ・レアルも好プレーを見せてはいたが、あと一歩でCL出場に届かなかった。9得点の9試合は全勝と「久保がゴールすれば勝つ」という神話ができたのも大きい。それも開幕戦、バスクダービー、レアル・マドリード戦など要所でのゴールで存在感は増した。大きなケガや不調なく、シーズンを戦いきった唯一のアタッカーでもあった。
久保の適性ポジションについて言えば、トップの一角、もしくはトップでプレーし、複数の選手と絡めるほうが真価を見せることができる。ただ、今や得意の右であれ、逆に左であれ、どのポジションにも適応できるだろう。手練れが多いチームのなかでも、久保は勝利への強い欲をひときわ強く感じさせ、大きな脅威になる。CLグループリーグの組み合わせはこれからだが、強豪との戦いで頼りになりそうだ。
「急がない、その必要はないから」
スペイン大手スポーツ紙『アス』がラ・レアルの現状を伝えるように、チームに不安要素は少ない。
プレシーズンマッチ初戦は7月21日、スペイン国王杯ファイナリストのオサスナと組まれている。さらにスポルティング・リスボン、レバークーゼンと欧州勢と戦った後、8月に入ると北米ツアーに出て、2日にアトレティコ・マドリード、5日にベティス戦を予定している。
そして8月13日、満を持してラ・リーガ開幕戦、本拠地でのジローナ戦に挑む。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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