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三笘薫の特性が浮き彫りになったアーセナル戦 ブライトン完勝劇の背景に「右→左」のポジションチェンジ (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Reuters/AFLO

 片やベン・ホワイトは後方待機を余儀なくされた。サカをサポートすることはできなかった。技巧をベースにした個人能力の高さでサカは見る者を唸らせたが、孤立していたことも事実。アーセナルの敗因のひとつと言ってもいいだろう。ちなみにベン・ホワイトは負傷で戦列を離脱している冨安健洋のライバルでもある。冨安対三笘が見たかったとは正直な気持ちだ。

 ブライトンはこの勝利で6位(勝ち点58)に浮上。ヨーロッパリーグ(EL)出場圏内に飛び込んだ。次戦は勝ち点差8の3位(勝ち点66)のニューカッスルとの一戦である。ニューカッスルのほうが、消化試合がひとつ多いので、実際は8差以下と見ていい。ブライトンが残り4試合全勝で乗り切れば勝ち点は70まで伸びる。ニューカッスルが残り3試合を1勝2敗なら逆転となる。4位(勝ち点66)のマンチェスター・ユナイテッドとの比較では、得失差でブライトンが勝っているので、マンUが1勝1分1敗の場合でも逆転可能だ。

 ブライトンにとって難敵は最後から2試合目のマンチェスター・シティ戦だが、その時までに同チームは優勝を決めていて、彼らにとってこの一戦が消化試合になっている可能性が高い。チャンピオンズリーグ圏内(4位以内)に飛び込む可能性はゼロではないのである。カギを握るのは三笘。ブライトンの4連勝に期待したい。

著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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