中村敬斗がオーストリアでゴール量産中! 「初A代表」「現地での生活」「目標」について大いに語った (3ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by JFA/アフロ

──いずれはこの国で、あるいはこのチームでやりたい、というのはありますか?

 最終的にはプレミアリーグに行きたいというのが小さい頃からの夢です。そこに向けて自分がどういうキャリアを歩んでいくかというのを考えて、どうステップアップしていくかはこれから考えていければいいと思います。ただ、どこからオファーがくるかにもよるので、一概にこれから「ドイツに行きたい」とか「イタリアに行きたい」というのはなかなか言えないです。

──先日の代表戦の時には、現在プレミアリーグでプレーしている三笘選手から何か情報収集をされたんですか?

 はい、ポジションも同じなので、プレミアリーグでプレーするためにはどうするかということも話しました。あとは戦術的な部分だったり、どういうメンタリティなのかとか。世界一のリーグであれだけの過密日程であれだけ結果を残しているので、(三笘選手は)頭ひとつ(抜け出している)というか、すごいところまでいっているので、この間の代表の時は積極的に話しかけて質問して(笑)。気になることばかりなので、もっと時間がほしかったですね。三笘さんに限らず、上のリーグでやっているすごい選手たちばかりなので、いろんな話を聞いて。次の6月も(日本代表に)呼ばれたいですね、絶対。

──そういった話を周囲の選手から聞けるのも醍醐味ですね。

 今回の代表活動が、僕のサッカー人生で間違いなくターニングポイントだったと言えます。

──ところで、海外生活での言葉の問題はいかがですか? オーストリアで話されている言語はドイツ語ですが......

 ドイツ語は今勉強中です。チームが英語でドイツ語の授業をしてくれているので、それを受けています。
 英語なら日常生活に支障がなく普通に話せるので、基本的には英語で生活しています。(欧州で最初に所属したオランダの)トゥエンテでも英語で。週に2~3回、英語の授業がマンツーマンであったので。そのままの感じでベルギーに行って、オーストリアに来て。みんな英語を話せるので、基本的に僕と話すときは英語です。監督の指示も、(監督が話す)ドイツ語をチームスタッフが英語に訳してくれています。

──息抜きは、ふだんどうされていますか?

 基本的に週に1回はオフなんですけど、ショッピングモールに行ったりとか、チームメイトと話したりして、あまり家には籠りません。誰かと話すのが息抜きになるので。日本の情報もチェックしていますよ。WBCも見ていましたし、スポーツに限らずいろんな話題やニュースは見ていますね。ゴシップも含め(笑)。
 集英社作品のアニメも見ています。『ONE PIECE』『呪術廻戦』『ハイキュー!!』『鬼滅(の刃)』......結構見ていますね。サッカーアニメは『ホイッスル!』が一番好きです。幼稚園児の時に『ホイッスル!』を見て、柏レイソルのサッカースクールに行っていました。

──今季は残り8試合です(4月10日現在)。最終的にゴール数をどこまで伸ばしていきたいですか?

 公式戦20ゴールはしたいなと思っています(現在16ゴール)。プレーオフであたる上位チーム相手に点をとるのはなかなか簡単ではないです。そこで25ゴールとは言えないですけど、あともう少しは(とりたい)。2試合に1点のペースなので、容易じゃないですけど、でも今のペースで考えたらいけるんじゃないかなと思っています。


中村 敬斗(なかむら・けいと)
2000年7月28日生まれ。千葉県我孫子市出身。U-17W杯のホンジュラス戦でハットトリックを記録。17歳で三菱養和SCユースからガンバ大阪とプロ契約に至り、19年夏に海外へ。オランダ・トゥエンテでは強豪PSVとの開幕戦で欧州初ゴールを挙げ、その後、シント=トロイデンVV(ベルギー)にも所属。2021年2月にオーストリア2部FCジュニオールに加入後、活躍が認められガンバ大阪から同1部LASKリンツへの完全移籍が決定。2022-23シーズンにオーストリア1部の日本人最多得点記録を更新。2023年3月のウルグアイ代表戦で日本代表デビュー。

プロフィール

  • 鈴木智貴

    鈴木智貴 (すずき・としき)

    1981年生まれ、静岡県出身。2010年からドイツ在住。DFB公認B級(UEFA−Bレベル)指導者ライセンス保有。これまでに左右アキレス腱断裂と左膝半月板損傷を経験しており、手術歴"だけ"はプロ選手並み。

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