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中村敬斗がオーストリアでゴール量産中! 「初A代表」「現地での生活」「目標」について大いに語った (2ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by JFA/アフロ

【オーストリアのリーグや生活】

──所属クラブのことについてうかがいます。まずは、オーストリアに移籍した経緯を教えてください。最初はLASKのトップチームではなく、セカンドチームへの加入でした。

 LASKのセカンドチームでやる前は、ベルギーのシント=トロイデンVVでプレーをしていたんですけど、その半年間っていうのはまったく試合に絡めずに本当に苦しい時間を過ごしていました。選手としては、試合に出たいというのがあったので、代理人と話して、なんとか移籍先を......リーグのレベルは下がったとしても、まずは試合に出るということで探してもらって。実際はLASKのセカンドチームからしかオファーがこなかったので、選択肢としてはシント=トロイデンVVに残るか、新しいチームに挑戦しにいくかというところだったんです。でも迷いはなくて、まずはセカンドチームで結果を残してからという感じでした。

──選択肢のひとつとして、日本に帰るという考えはなかったのですか?

 ガンバ大阪からのレンタルだったので、そのあたりは僕個人だけでの判断はできませんでした。ガンバ大阪とも何度もミーティングを重ねて、そのうえでまだヨーロッパで挑戦したいと僕が伝えて、それをしっかりと受け止めていただきました。

──加入前に、LASKに対するイメージ、またはオーストリアのリーグに対するイメージは何かありましたか?

 オーストリアのリーグにはレッドブル・ザルツブルクがいて、正直なところ、他のチームがどれだけやれるのか、どれだけレベルが高いのかというのは、わからない状態でした。とにかく(LASKの)セカンドチームで結果を残さないと先はない、と考えていたので、そのリーグに対して何かを思うかとかは、まったくなかったです。目の前のことだけに集中していました。

──今季はここまで(2023年4月10日時点)リーグ戦13ゴール、公式戦16ゴールを決め、南野拓実選手が持っていたオーストリア・リーグでの日本人記録を更新中です。コンスタントに得点を重ねられている理由はどこにあるのでしょうか?

 一番は、チームに馴染めていることですね。味方あってのゴールだと思うので。いい連携のなかでゴールが生まれていますし、あとは今のLASKの監督とすごくいい関係を築けているというのもあると思います。やはり僕のなかで、そこがすごく大事だと思うんです。のびのびプレーできるというか、自信を持ってプレーできるので。そのふたつですかね。

──そしてしっかりとゴールを決めたから、さらに周囲からの信頼が集まるようになった、ということでしょうか。

 やはりゴールだったり、チームを助けるプレーがなければ、信頼は得られないと思います。(それがなければ)練習でいくらいいプレーを見せても試合じゃ使えないねとなってしまうので。公式戦で何を見せられるかというところで、今はいい形になっていますし、チームを少しでも助けられているのかなと思います。

──「この部分はオーストリアでは十分通用するな」という点はありますか?

 ボールを持って前を向いた時だったりとか、ペナルティーエリア付近で自分の持ち味の、ゴールに向かうプレーというのは、オーストリアでも結果として出ているので、通用するというか、武器になっていると思います。

──オーストリア・リーグはザルツブルクの一強と見られることが多いですが、実際に戦ってみてどう感じられましたか?

 前よりは差がなくなっているのかなとは感じますけど、僕ら(LASK)と、ラピード・ウィーン、シュトゥルム・グラーツの3チームが、ザルツブルクに食らいついていけるかという状況になってきていると思います。ただ、やっぱり強いですね。チャンピオンズリーグでもベスト16に行きますし、世界的に見てもザルツブルクは強いチームなので、勝つのはなかなか容易ではないです。(相手の)個人の能力が高いので、どうしてもこちらは引くサッカーになってしまいます。

──チームメイトが対ザルツブルクだと怖気づいてしまう、ということはないですか?

 それはないですね。「相手がザルツブルクだ。よっしゃ、絶対勝つぞ」みたいな感じです。ビビってる選手がいたら使ってもらえないです。僕らのチームはもう、闘争心むきだしで、モチベーション高くいく、っていう。ふだんよりも球際が激しくなったりとか、ガツガツいくという感じです。

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