遠藤航、恩師に捧げるゴール。「自分の可能性を見出してくれた監督。クビになる前に1勝したかった」 (3ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by AFLO

遠藤が語る恩師への想い

 マタラッツォに対する思いを問うと、頸木(くびき)が外れたかのように恩師への言葉は止まらなかった。

「いや、もうほんと、感謝しかないですよね。彼から学んだことはすごく大きいし、彼と一緒にこのチームでやらせてもらって、僕も成長させてもらった。それは人間性もそうだし、プレーや戦術だったり、自分の6番(ボランチ)としてのプレーだったり。

 信頼を置いてくれて、常に自分に対していろんなトライをしてくれた。8番でも使ってくれて、いろんな自分のポテンシャルというか可能性を見出してくれた監督だったんで......残念というか......。何かがうまくいかないと最初に替えられてしまうのは監督で、監督に大きな責任がなかったとしても、やっぱりそうなってしまう。すごく残念というか、彼がクビになる前に1勝したかったなっていうのが正直な思い。

(第9節の)ウニオン戦の前とかも、彼と『1勝すれば流れが変わる』みたいな話をして、で、クビになってしまったんで、そこは申し訳ないです。本当に感謝しかない。彼も監督業を続けると思うし、監督としての評価も上がっていると思うので、またほかのチームで指揮する姿を見られればいいですね。(別れの時に監督とは)いろんな思い出がある、みたいな話をして、最後に(個人的に)メッセージは送らせてもらいました」

 今季のシュツットガルトは、1部18クラブで平均年齢が最年少。それだけ若い選手が多く、ひとつ勝つことでチームの雰囲気がガラリと変化する可能性は大いにある。

 次はミッドウィークのDFBポカール2回戦を挟み、敵地でのドルトムント戦。初白星という追い風を受けながら、8万人の観衆が待つジグナル・イドゥナ・パークに乗り込む。

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