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メッシの相変わらずの異次元ぶりを風間八宏が解説。「ボールを運ぶ時と蹴る時が同じかたち」「全部の技術を成功させてしまう」 (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

走りながらボールを前に止められる神業

「あらゆる技術が傑出しているのはもちろんですが、パスの技術とセンスも図抜けていて、たとえば、DFが足を踏ん張った瞬間の足を出せないタイミングで正確なパスを出せています。

 よく相手を見てプレーすると言いますが、メッシの場合は相手の足の運びまで見えている。つまり、相手を見るというレベルが普通の選手とは違っていて、もっと相手の手足や体の動きまでを瞬時に見極めることができる。細かい話ですが、相手を見る技術においても、メッシは次元が違うところにいるわけです。

 それと、トラップひとつをとって見ても、ほかの選手との違いは明白です。たとえば、走っていて急に速いパスが自分のところに来た時、普通はボールを止める際に一度止まって、足を引きながら止めようとします。でも、そうすると次のプレーに移る時にステップを踏み直し、もう一度ボールに触れ直さなければなりません。

 しかしメッシは、自分が止まることなく、走りながらボールを前に止めることができるうえ、次に蹴れる場所にワンタッチで置くことができます。

 もちろんそこには、ボールが浮かないようにボールの少し上の部分にタッチして止めるという高度なトラップ技術があるわけですが、そもそも自分の体を止めずに、ボールを前で止められること自体、普通はできない。しかも、姿勢を崩さずにそれができるわけですから、もう神業としか言いようがありません」

 確かにメッシのひとつひとつのプレーをスロー再生で見てみると、理解不能とも言えるような体の動きやボールテクニックが目白押しだ。風間氏が指摘するように、誰もマネできないようなプレーを平然とやってのけることがメッシ最大の特長であり、生きるレジェンドと言われる所以なのかもしれない。

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