奥川雅也がブンデス8得点の今季を振り返る。「短所でなく長所で勝負することができた」 (3ページ目)
反対されながら19歳で海外移籍を決断
――この形なら点がとれるという感覚を身につけたということはあります?
「もともと動き出しの部分でのタイミングで(点を)とれるタイプだったので、そこの信頼でパスがくるのもあったし、今年はいいパスも入ってきましたから。ただ、チャンス自体が少ないので、いかに一回のチャンスを決めるかということにすごく集中しています」
――『ビルト』紙でも、ロベルト・レバンドフスキ(バイエルン)より効率よく、少ないシュートで点をとっていると話題になりました。
「本当にチーム自体にチャンスが少ないので、ここぞというところで決定的な仕事をするというか、相手のスキというのを見つけることは意識しています。ボールを持ってる人のタイミングで(パスが)出たりはしますけど、自分主体で動くことも多くて、そこにボールが来た時というのは、やはり得点につながっている感じがします」
――パスを待つというよりも『出せよ』という感じですか。
「感覚的にはそうですね。そのパターンだと、結構、得点になってると思うんですよね」
――フィジカル的にはドイツのディフェンダーに劣ることも多いですよね。
「ペナルティエリアに入ったところやゴール前というのは、相手も潰しにかかってくるというのも考えながらポジショニングをとっています。相手の裏(をとるため)の一瞬のスピードというのは勝っていると思いますし、短所ではなくて、そういう自分の長所で勝負するというのが今季はできていたなと」
――奥川選手が欧州に来たのは19歳の時で、すでに欧州で7シーズンになります。『もう少しJリーグで』と思ったことはないですか。
「19歳になったばかりだったのですが、当時は僕みたいに早く海外移籍するタイプはいなくて、もっとJリーグで活躍してから、日本で名前が売れてから移籍するというのが普通の流れでしたし、いろいろな人から『絶対にJリーグで活躍してから行ったほうがいいよ』と何回も言われました。自分自身も、京都(サンガ)に中学校時代からお世話になっていたから、恩返しのためにはどうしたらいいかと考えたりもしましたよ。でも正直、単純に海外に行きたいという思いをずっと持っていたので、『このチャンスを逃したら次、あるのかな』と考えたら、(ザルツブルクに)行くという選択肢だけが残りました。
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