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ビジネスに乗り出す元スター選手たち。成功者サモラーノはコロナ破綻 (2ページ目)

  • 利根川晶子●文 text by Tonegawa Akiko
  • 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 プールや広々とした庭もあり、パーティーや映画の撮影もでき、特に結婚式会場として有名だ。ローマでも有数の人気ウェディングスポットで、ここで永遠の愛を誓うカップルも多い。カンデラの妻が仕切るイベント会社が主にそのマネジメントをしている。提供される料理は、どれもこの地域の伝統的な料理で、カンデラ自身が研究したという。

 カンデラは農園も持っており、最近は長年の夢だったワイナリーもオープンした。ワインの名前は「トレンタドゥエ(イタリア語で32という意味)」。自身がつけていた背番号32からとっている。

 カンデラは出演した「ローマTV」で「子供を育てたり、野菜を育てたり、やることはいっぱいある。退屈なんてしていられない」と答えている。ある意味で理想的な引退後の生活を送っていると言っていいだろう。

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 セビージャ、レアル・マドリード、インテルでゴールを量産したチリ代表のイバン・サモラーノ。ゴールの嗅覚に優れ、特に空中戦にめっぽう強かった。インテル時代、新加入のブラジル代表ロナウドに、それまで自分がつけていた背番号9を譲らなければならなくなった時、背番号18をつけたが、1と8の間に「+」マークを入れた逸話で知られる。

 サモラーノは元サッカー選手の中でも最も成功しているビジネスマンのひとりだった。引退した彼はまず、元チームメイトと代理人業を始め、チリ代表選手らをマネジメントした。

 その後、選手時代から蓄えていた巨大な資金をつぎ込んで投資会社を設立。2007年にはチリの首都サンチャゴ北部に12ヘクタールに及ぶ巨大な「シウダッド・デポルティーバ・イバン・サモラーノ(イバン・サモラーノ・スポーツシティ)」を建設する。

 そこでは「スポーツ文化のために」をモットーに掲げ、サッカー場、ミニサッカー場、ラグビー場。ホッケー場、テニスコート、競泳プール、陸上競技場などを建設。体育館にはジムの他にバスケットとバレーのコートがある。さらには病院も併設し、大学とも提携してITも使ったスポーツ科学を研究する部門も作った。チリのスポーツを総合的に牽引するように建設された、まさに一大スポーツ施設である。

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