欧州サッカー通3人が指摘。
レアル&バルサが今季も苦戦必至の理由 (2ページ目)
小澤 移籍市場が閉まりシーズンが開幕したら、ジダン監督も「このメンバーで満足している」という優等生的なコメントをしています(笑)。最近はフロレンティーノ・ペレス会長との対立の噂も消えつつあり、その辺はうまくシーズンのスタートを切れたと思います。その一方で、ここまでケガ人が続出しているのが大誤算です。マルコ・アセンシオはプレシーズンでシーズンを棒に振るような左ヒザの大ケガをしたうえ、筋肉系のトラブルを抱える選手が増えています。新戦力のエデン・アザールも含めて、常時4、5人、多い時には7、8人くらいの故障者を抱えた異常なシーズンとなっています。
倉敷 選手層の面ではどんな印象ですか? ジダン監督はほしかった選手を補強できなかったので、プランにも影響しているかもしれませんね。
小澤 各ポジションに2人くらいの駒を抱えているので、バランスは悪くないと思います。ただ、GKが少し不安で、移籍期限ギリギリでケイロル・ナバスをパリに差し出して、代わりにアルフォンス・アレオラをレンタルで獲得しました。これによって、今季はティボー・クルトワが絶対的な正GKに君臨するはずでした。
ところが、そのクルトワのパフォーマンスがよくなくて、とにかく失点が多い。もちろん、失点はGKだけの責任ではなく守備のオーガナイズや前線からのプレッシングにも問題があるのですが、目立つビッグセーブが少ない分メディアからも批判が出ていて、体調不良や精神的な問題ではないかという話にもなっています。試合中に嘔吐して交代するなど、ちょっと心配な状況です。それと、バックアップがいないといえば、カゼミーロのポジションです。今夏にマルコス・ジョレンテをアトレティコ・マドリーに売却してしまったため、現状ではカゼミーロしかいません。
中盤では、これまで絶対的な存在だったルカ・モドリッチも故障で出遅れるなど、年齢的なことも含めてやや影が薄くなりつつあります。9月、10月の代表戦でケガをして帰ってくるなど、FIFAウイルスの象徴的存在にもなっています。そういう意味でも、今季は世代交代のところにもメスを入れておく必要があるかもしれません。逆に、序盤はフェデリコ・バルベルデがよい働きをしています。
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