バイエルン&ドイツ代表を
「結果の出るニュースター」がけん引する
10月1日の欧州チャンピオンズリーグ第2節。この大会昨シーズン準優勝のトットナムを相手に、敵地ロンドンで7-2という衝撃的な結果で大勝したバイエルン。その試合の中心には、ドイツ代表のセルジュ・ニャブリがいた。左ウイングとして先発出場したニャブリが挙げた4得点は、それぞれバリエーション豊富で、前線の選手としてプレーの幅広さを示した。
ゴールにアシストに大活躍のニャブリ 後半8分、スピードに乗ったドリブルから左サイドを突破すると、そのまま持ち込んでチームの3点目となるシュートを決めた。後半38分の自身の3得点目では、左サイドからのフリーランニングで相手DFラインの裏を破り、冷静に右隅に流し込んだ。試合終盤には、精度の高いミドルシュートで自身の4得点目を挙げた。
この決定力、そして得点パターンの豊富さは、ドイツ代表ではさらに際立つ。前線の選手のポジションが流動的なドイツ代表にとって、1トップとしても、ウイングやトップ下としてもプレーできるニャブリは貴重な存在だ。
2018年10月のフランス戦で定位置を確保すると、この試合以降の出場した9試合で7得点とエースとしての活躍を見せている。ドイツ代表のヨアヒム・レーヴ監督も、9月のオランダ戦前に「セルジュ(ニャブリ)は、常にプレーする」と発言。現在、不動の地位を築きつつある。
ニャブリは、コートジボワール人の父とドイツ人の母の間に生まれた。シュツットガルト近郊で育ち、岡崎慎司や酒井高徳、浅野拓磨らが所属したシュツットガルトの下部組織に入団すると、15歳になる頃には欧州中のスカウトの目に留まるほどの成長を見せた。
数あるオファーの中から、16歳のニャブリはイングランドのアーセナルへの移籍を選択する。ドイツメディア『SPOX』で、ニャブリは「(当時監督だった)アーセン・ベンゲルが率いるアーセナルが、『僕を欲しい』と言ってきたら、それは大きなチャンスだ。ベンゲル監督が若手にチャンスを与えることは、よく知られていたからね」と当時を振り返る。
1 / 4