吉田麻也も刺激。ラグビー日本代表から「学ぶべきことがたくさんある」

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 10月19日に行なわれたプレミアリーグ第9節のウルバーハンプトン・ワンダラーズ対サウサンプトン戦。サウサンプトンの吉田麻也は3バックのCB中央として、リーグ戦3試合連続の先発出場を果たした。

 ただ、今節に向けて懸念もあった。

 日本代表の10月シリーズを終え、タジキスタンからサウサンプトンの練習に復帰したのが、試合の3日前。短い調整時間と長距離移動を考慮されてベンチスタートの可能性もあったが、代表ウィーク明け直後の試合でも先発起用された。開幕直後はベンチスタートの多かった吉田だが、ここにきてラルフ・ハーゼンヒュットル監督の信頼は高まってきた。

吉田麻也にラグビー日本代表の活躍ぶりについて聞いてみた吉田麻也にラグビー日本代表の活躍ぶりについて聞いてみた その指揮官の期待に応えようと、吉田も盤石の守備を見せた。

 最終ラインをコントロールしながら、高さと速さ、機動力のあるメキシコ代表FWラウル・ヒメネスを完璧に抑えた。しかし、味方が与えたPKで失点し、試合は1-1の引き分けで終了。試合後、吉田は次のように振り返った。

「悔しいですね。今日は勝ち点3を取りたかったし、取らないといけなかった。(内容的には)ちょっとよくなかったけど、後半でリズムを取り戻してよくなったかなと。そういう意味では、PKのシーンももったいなかったと思いますけど、とりあえず勝ち点1を積み上げたと考えたい」

 吉田としては、代表ウィーク明けの試合は「絶対にパフォーマンスを落とせない」と言う。もし低調なプレーを見せれば、「代表での試合」を理由に先発を外される可能性があるからだ。

「前回も代表ウィーク明けでシェフィールド・ユナイテッドに勝ったし、今回はもちろん勝ちたかったけど、勝ち点1を積み上げて、失点もPKだけだった。その意味では、急に替えられる理由にはならないと思います」

 本人は確かな守備を見せたことで、一定の手応えを掴んでいた。実際、吉田のプレーは試合をこなすたびに、精度と安定感が高まっている。

 本人も「試合に出続けてリズムを掴めている。あと、コンディションもいい。(記者:過密日程になっているが、今は試合をどんどんこなしたい心境か?)やりたくない選手、いないでしょ。ちょっと休みたいって思う選手は、そう思った瞬間にプレミアではあっという間にポジション取られるから。ここだけでなく代表でもそうですけど、1秒たりとも譲る気はないです」と、貪欲に試合をこなしていきたいと語っていた。

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