2019.10.23

マンネリを打破できるのか。
プレミア2強のシーズン序盤を考察

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蹴球最前線──ワールドフットボール観戦術── vol.73

 サッカーの試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを取材し続ける中山淳、スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎――。この企画では、経験豊富な達人3人が語り合います。今季序盤のビッグクラブのパフォーマンスを考察するシリーズ。今回はプレミアリーグの2チームを取り上げます。

CL連覇と悲願のプレミア制覇を目指すリバプール――今季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)の優勝候補6チームについてお三方に掘り下げてもらっています。今回はプレミア勢の2チーム、リバプールとマンチェスター・シティについて話していただきたいと思います。

<序盤は出来過ぎのリバプール。
攻め倒すサッカーでプレミア、CLの2冠を狙えるか>

倉敷 リバプールはディフェンディングチャンピオンとしてCL優勝候補に挙げられますが、今季も勢いは続いていますね。

中山 文句なしの強さ。現在最も完成度の高いチームです。

倉敷 国内リーグではユナイテッドに連勝を8で止められても、2位マンチェスター・シティとの差は6ポイント。すばらしいロケットスタートを見せたレッズですが、磐石とは感じていません。むしろ序盤からこれだけギアを上げて大丈夫なのか、という心配をしています。よく効くブレーキは持っていないクラブであり、監督に見えるからです。

中山 僕も同じことを考えていました。たしかに強いし、隙がない。でも、長いシーズンを考えた場合、この調子を最後まで持続するのはかなりハードルが高いタスクだと思っています。とくにめまぐるしく状況が変化する近代サッカーでは、ひとつのチームが勝ち続けることが以前よりも確実に難しい。ユルゲン・クロップ監督とリバプールがその高いハードルを乗り越えることができるのかどうかが、最大の注目ポイントでしょう。

小澤 しかも、今夏はほとんど補強をせずにシーズンを迎えました。昨季とほぼ同じメンバーで戦い続けることになります。

倉敷 プレミアとCLの2冠を狙い続けるシチュエーションが続くと虻蜂取らずになりかねませんね。今季のリバプールはいよいよ国内リーグ優勝を求められていて、そこに絶対的なプライオリティがあります。

小澤 とくに昨季はわずか1敗しかしていないのに、シティにタイトルを奪われてしまいましたからね。