マンネリを打破できるのか。
プレミア2強のシーズン序盤を考察 (5ページ目)
中山 たしかに。バルサで4年、バイエルンで3年。シティでは2016-17シーズンからなので、今季が4年目です。バルサ最後のシーズンは国内リーグもCLも逃して、最後は疲れたと言って白旗を上げてチームを去りました。その視点で今季のシティを見てみると、ペップの挑戦と葛藤みたいなものが見えてくるかもしれないですね。
倉敷 ペップのサッカーは要求が細かいから、選手も疲れてしまうのでしょうね。
中山 今季の補強面でいうと、中盤の真ん中にロドリという望みどおりのミッドフィルダーを手に入れました。
小澤 バルサでブスケッツを抜擢したように、ペップが欲しかったピースですよね。
中山 ただ、ここにきてセンターバックふたりがケガをして離脱してしまっているので、まだベストメンバーを編成して戦った試合が少ないというのが不運なところですね。
倉敷 ペップのチームは、センターバックの選手のケガが多いですね。それと、サイドバックにかなり細かいことを要求するので、なかなかジョアン・カンセロが覚えきれていない(笑)。
小澤 そもそも、なぜカンセロを獲得したのか疑問です。ペップの高度で細かい要求を最も飲み込めなさそうな攻撃的なサイドバックですし、そもそも彼の本職はウイングですから。
倉敷 かといって、リヤド・マフレズにはユーティリティ性がありません。ここまではラヒーム・スターリングが好調なのが救いです。あとは若手のフィル・フォーデンが成長しているというポジティブな要素もありましたね。
中山 結局、やろうとするサッカー自体は進化していくとは思いますけど、だからといってタイトルが獲得できるとは限らない。とくにCLは決勝トーナメントに入ってからハードルが急激に高くなりますからね。シティの場合、どうしても決勝トーナメントに入ってから守備面の脆さを露呈する傾向があります。ペップが監督でいる限り、そこは変わらないでしょうね。
小澤 ペップは自分に厳しい人なので、毎シーズン、あるいは毎試合、何か違う手を打っていくので、それを選手が消化しきれずに試合に入ってしまうことがある。負けた試合など、とくにそんな風に見えます。
倉敷 サッカー頭脳が高くない選手は、ペップの下では活躍しにくいようですね。
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