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欧州サッカー通3人が指摘。
レアル&バルサが今季も苦戦必至の理由 (4ページ目)

  • photo by Getty Images

小澤 おっしゃるとおり、僕がマドリードダービーを現地で取材したときも、ジダン監督が会見で何度も口にしていたのが「インテンシティ」という言葉でした。パリに負けたあと、ジダン監督は守備から試合に入ることを強く選手たちに要求し、セビージャ戦以降はそれが奏功して結果につながりました。ある意味、そこが今季のマドリーの肝になると思います。

中山 あとは故障者が続出しているので、彼らが復帰するまでは現在のメンバーで我慢しながら勝ち点を積み上げるしかないですね。全員が揃ったら、やっぱりマドリーは世界トップクラスの戦力がいるわけですし。

小澤 ケガ人の話をすると、現地では今季から代わった新しいフィジカルコーチの問題を指摘しています。今夏にアントニオ・ピントゥスがアントニオ・コンテ監督に呼ばれてインテルに行ったことで、ジダン監督は前フランス代表フィジコのグレゴリー・デュポンを招聘しました。しかし、夏からこれだけ筋肉系のケガが多いことで、メディアからはトレーニングメソッドの変更、フィジカルコーチ交代の影響によって、多くのケガ人が出ているのではないかと、疑問符をつけている報道が出ています。もっとも、ケガは複合的な要因で起こるものですし、新しいフィジカルコーチはジダンの肝いりで呼び寄せた人物で、ロシアW杯でフランス代表を優勝に導いている人物ですから、優秀であることは間違いないとは思います。

倉敷 故障者の問題が解決した時に再スタートを切れそうな気もしますが、そのためにもしっかりグループリーグを突破しないと。敗退の可能性はあるでしょうか?

小澤 いくら国内リーグを優先するといっても、結局、マドリーはどのタイトルも狙いに行かなければいけないクラブですからね。3節、4節のガラタサライとの2連戦でしっかり勝点を稼げれば心配はないでしょうけど、そこで星を落とすようだとさすがに厳しいでしょうね。

倉敷 中山さんは、マドリーのCLでの戦いをどのように見ていますか?

中山 結局、夏に色々な補強の話題があがったわりには、基本的には近年のメンバーを主軸にして戦うことになりそうですから、キーワードは「フレッシュネス」になるのだと思います。いかにマンネリ感を出さずにシーズンを戦えるのか。そういう意味では、まだトップフォームになっていないアザールの活躍がポイントになるでしょう。

 ただ、彼のプレースタイルは独特なので、周りがそれを理解し、ドリブルのコースを空ける動きをしてサポートしたり、逆にアザールによって生まれるスペースを周りが利用したりすることができるようになれば、攻撃力は格段にアップするはずです。そのコンビネーションの構築に半年かかるのか、それとも1シーズン丸ごとかけても足りないのか。バロメーターとしては、アザールがいつチームにフィットできるかが、CLでどこまで勝ち進めるかを決めるような気がします。

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