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チーム降格も驚く切り替えの早さ。
原口元気と浅野拓磨「次に向かう」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by AFLO

 ブンデスリーガ第33節、ハノーファーはホームでフライブルクを3-0で下したが、16位のシュツットガルトもヴォルフスブルクに勝利を収めたため、2部降格が決まった。

 ホーム最終戦ということもあり、試合が終わると選手たちは場内を一周した。2月16日の第22節から4月13日の第29節までの8連敗で、降格決定は時間の問題ではあったが、実際に決まってしまうと、ある者はうなだれ、ある者は涙にくれた。そんな選手たちに送られる客席からの暖かい拍手が、物悲しさを増幅させた。

 原口元気は「全員が悲しんでいる。それだけですね」と、自嘲するような笑みをまじえながら、力なく話した。

フライブルク戦にフル出場した原口元気。ハノーファーは3-0で勝利したが、2部降格が決まったフライブルク戦にフル出場した原口元気。ハノーファーは3-0で勝利したが、2部降格が決まった 今季からハノーファーに所属した日本人選手、原口元気、浅野拓磨の2人にとって、不本意なシーズンになってしまった。チームの成績だけでなく、自身の活躍という点でも、及第点とはいかなかった。

 原口はシーズン前、今後への決意も込めて背番号10を選択した。昨季まで所属したフォルトゥナ・デュッセルドルフではチームを昇格に導き、その後のロシアW杯では1得点を挙げて日本の決勝トーナメント進出に貢献。自信を持って新天地ハノーファーに移り、「チームメイトに信頼されるプレーを」と意気込んでいた。

 10番を背負うことで、他のチームからも注目され、さらなる飛躍につなげたいという思いもあった。選手生活を送れる時間はそう長く残されているわけではない。トップ選手として活躍できる時間はもっと短い。だからこそ、原口の希望だったプレミアリーグなどに行くチャンスを得たいという思いもあっただろう。だが、結果はついてこなかった。

「こういうふうになるとは思ってもなかったし、正直、ひとつの戦力としてやってきて、降格という結果になってしまったので、自分自身にも責任は感じています。まあ、次に向かってやってくしかない」

 今季の序盤は負傷で出遅れた。本人は「引越し手続きなどに追われ、練習前のルーティーンをこなせなかったことに起因する」と説明する。アジアカップから戻った第21節以降はすべて先発しているが、まだ得点はない。最終節は古巣のフォルトゥナ・デュッセルドルフ戦。せめて1得点して、締めくくりたいところだ。

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