CL番長3人も震えた、リバプール対バイエルン「決死の守備バトル」 (3ページ目)

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小澤 スペイン人のティアゴやコロンビア人のハメスはラ・リーガであそこまでハードワークしていませんでした。ドイツではまずハードワークが求められますし、リバプール相手のバイエルンは国内での戦いとは打って変わって守備面でのハードワークを重視して試合に入っていきました。

中山 もうひとつ面白いと思ったのは、両チームの選手間のパス本数を見てみると、リバプールはアリソン・ベッカーとマティプ間、バイエルンはマヌエル・ノイアーとニクラス・ズーレ間と、どちらもGKとセンターバック間のパスが最も多いんです。両チームとも前からプレスをかけ続けていたのでこのようになったわけですが、なかなかお目にかかれないスタッツですし、いかにこの試合がハイレベルだったのかをよく表していると思いました。

倉敷 バイエルンのセンターバックは、ズーレとマッツ・フンメルスでした。ジェローム・ボアテングが調子を落とし、先発から外れたことで彼のロングフィードという武器がなくなったわけですが、長いボールを使わない戦い方に徹したのも吉と出たようです。

中山 そうですね。ボアテングが好調であればロングパス1本でチャンスを作れるので、また違った試合展開になったかもしれません。

倉敷 ニャブリとコマンのアウトサイドもタスクを果たしていましたね。ロッベンとリベリーと比べるとさすがに攻撃のダイナミズムは物足りませんが、守備面での貢献が光りました。

中山 守備面の貢献という部分では、左に下がりながら中盤のスペースを必死に埋めていたハメスのプレーが印象深かったです。

倉敷 ハメスは頑張らないと買い取りオプションを行使してもらえず、レアル・マドリーに戻ることになりますものね。

 では中盤を比較しましょうか。この試合のハメス、ハビ、ティアゴの3人は連携もよくソリッドな守備を見せていました。一方、リバプールの中盤は、アンカーのヘンダーソンだけが奮闘していた印象で、気の利くジェイムズ・ミルナーをもっと早く投入してもよかったのではないでしょうか。

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