悔しい思いをバネに...。シント・トロイデンの日本人は皆、飢えている (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 オーステンデ戦のプレーでボランチとして自信をつけた遠藤は、日本代表の一員としてコスタリカ戦でいいパフォーマンスを見せられたことがさらに自信となり、アントワープ戦のプレーにつながったのではないだろうか。今、遠藤は好循環でシーズンが進んでいる。

 鎌田大地のベルギーデビューも鮮烈だった。第7節のゲント戦、鎌田は60分からピッチに立つと、アディショナルタイムに決勝ゴールを決めたのだ。さらにアントワープ戦でも鎌田は途中出場し、試合終了間際にチームの勝利を決定づける2点目のゴールを奪っている。

 昨季の冨安は1試合に出場しているが、「最後1分間の出場で、しかもボールに触ることなく試合が終わってしまった」ため、今季開幕戦のセルクル・ブルージュ戦が実質的なデビューマッチだった。この日は0−0で試合を締めくくり、冨安はクリーンシートに貢献している。遠藤や鎌田と同じく、冨安もデビューマッチで目に見える結果を残した。

 彼らから伝わってくるのは、ハングリーな気持ちだ。これまで冨安が試合後、満足する言葉を残したことは聞いたことがない。アントワープ戦では86分からDFサーシャ・コティシュが守備固めで登場したが、冨安は「サーシャも復帰しましたので、レギュラー争いが激しくなると思います。まずはレギュラーを渡さないようにやらないといけないので、がんばります」と気を引き締めていた。

「僕たち(日本人選手)はチャレンジする側。やっぱりこっちの選手からしたら、僕たちは下から来たような立場ですから、結果を出して認めさせないと生き残っていけない。(鎌田)大地くんが点を獲ったり、(遠藤)航くんが中盤で潰し屋やバランサーをやってくれている。僕たちは試合で結果を出していくことでしか認められない。僕たちにもプライドがありますから」

 日本代表から戻った直後のゲンク戦で、遠藤はベンチスタートとなり、後半アディショナルタイムからの出場にとどまった。

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