悔しい思いをバネに...。シント・トロイデンの日本人は皆、飢えている (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

「僕が絶対的な選手だとは思ってない。もし、代表帰りとかでコンディションが悪いと判断されたら、いつでも代えられると思ってやっている。だから、普通にベンチからのスタートだったのかもしれないし、気を遣われたのかもわかりません」

 その1週間後、アントワープ戦での遠藤は攻守にクールかつアグレッシブなプレーで、チームの勝利に貢献した。

「大事なのは、代表でもベルギーリーグでも、自分が中盤で存在感を出していくこと。そういう意味では、まだ代表では物足りないと思います。チームのなかでも中心的な存在になっていくためには、やることがいっぱいあります。大事なのは、地に足をつけてやることだと思う」

 ロシアW杯で出場できなかった遠藤、ドイツで出場機会を逸した鎌田と関根貴大......。このシント・トロイデンには、悔しい思いをした日本人が日々奮闘している。

「やはり、『悔しさをバネに』という思いがあるのでは?」

 昨季フランクフルトに所属していた鎌田に話を振ってみると、彼は「そうですね」と答えて続けた。

「ドイツでは、本当にうまくいかなかった。ゴールを獲るなど攻撃の部分では、チームのなかでも通用していたと思うんですよ。ただ、それ以外のところ......守備の部分だったり、ボールの失い方だったりが、ドイツでうまくいってなかった。

 僕は『(ドイツで)できる』と思っていたんですが、やっぱりサッカー選手というのは試合に出ないと評価されない。自分がどれだけできると思っていても、周りから見ると、試合に出ていないのでどういうプレーヤーなのかわからない。しっかりこのチームで、自分ができることを見せていかないとダメ。今年1年、すごく結果が必要になってくると思います」

 鎌田が掲げた目標は「20ゴールに関わること」。彼らは試合に出場して結果を出すこと、チームが勝利すること、さらに自身も成長すること、そして、周りを認めさせることに飢えている。

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