セビージャがEL3連覇。リバプールを一蹴した「攻撃は最大の防御」 (5ページ目)
数値で見ればスペイン優勢はより鮮明になる。今季スペイン勢が欧州戦線で獲得したポイントは、23.641という数字になるが、これは欧州サッカーにポイント制が導入されて以来、最高の値。過去5年の数値の合計で順位化する欧州リーグランキング(カントリーランキング)においても、2位ドイツにかつてない差をつけている。
スペインがこのランキングで首位に立ったのは2000年。08〜12年までイングランドにその座を譲っていたが、13年に奪還するや、2位との差をグイグイ広げ、現在ではひとり勝ちの状態にある。
なぜか。それは20世紀末から、欧州に一気に浸透していった攻撃的サッカーの旗振り役を、スペインが担っていたことと大きな関係がある。対立軸であったイタリアサッカーは大きく衰退。後ろに引いて構える守備的サッカーでは勝てない。欧州ではスペインの興隆とそれはセットで語られている話だ。
引いたら危ない。セビージャがリバプールに対して示した姿勢がまさにそれだった。3対1になっても引かずに、キチンと攻める。これこそが最大の防御であることを、あらためて知らしめた一戦。近年の欧州サッカー史の流れに限りなく沿った一戦。今回のEL決勝は、現代サッカーそのものとして僕の目に映った。
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