セビージャがEL3連覇。リバプールを一蹴した「攻撃は最大の防御」 (4ページ目)
それは監督を務めるユルゲン・クロップの欲でもあった。リバプールの今季のプレミアにおける順位は8位。プレミア内の力関係では欧州戦線への出場は閉ざされていた。狙うはこの勝利のみ。かつてドルトムントで高評価を得たドイツ人監督にとって、欧州戦線への進出は、自身に課したノルマであったはず。後半、受けて立ってしまった原因のひとつと思われる。後手を踏む采配をしてしまった。ウナイ・エメリは逆に、チームを蘇らせることに成功。EL3連覇の偉業をも達成した。
とはいえ、これは一風変わった偉業だ。セビージャの国内リーグでの成績は7位。CL出場圏内(4位以内)まで12ポイントも離れている。早い話、スペインではたいしたチームではない。にもかかわらずEL3連覇。この違和感はELの立ち位置と大きな関係がある。CLを欧州の上位32チームで争う欧州1部リーグとするなら、ELは48チームで争われる欧州2部リーグ。セビージャはその優勝チームにすぎない。
だがスペインは1部(CL)でも2部(EL)でも、上位を独占した状態にある。28日に迫ったCL決勝は、13~14シーズンに続くマドリード・ダービーだ。今回、ベスト8に沈んだバルセロナが敗れた相手も自国のアトレティコ・マドリードだった。
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