フランクフルト長谷部誠に密着。「残留への道」はこうして開けた (5ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by AFLO

 この試合でフランクフルトは直接FKから先制を許すが、その後追加点を許さずに耐え、終盤に逆転ゴールを挙げた。第32節ダルムシュタット戦も2戦連続の逆転勝利。序盤に先制点を奪われ、さらにPKを与えるなど相手に決定機を許しながらも耐えしのぎ、逆転に繋げてみせた。長谷部はこのダルムシュタット戦で約3年振りのゴールを、ドルトムント戦でも勝利を呼んだアシストを決めている。

 だが、まだ何も終わっていない。最終節は16位ブレーメンとアウェーで激突、引き分け以上で残留が決まる。得失点差を考えれば自動降格の可能性は極めて低いが、ブレーメンに敗れれば入れ替え戦に回らなければならない。

 ドルトムント戦の勝利で燃え尽きてしまっては元も子もない。前例がある。昨季、第33節でバイエルンから金星を挙げたフライブルクは、最終節、引き分け以上で降格回避という状況ながら、残留を争うハノーファーとの直接対決に敗れて降格することになった。

「最後の1試合で結果が出てからじゃないと何も言えないというか、まだまだ気が抜けないです」

 そう言って気を引き締めた長谷部の表情は、まったく緩んでなどいなかった。

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