CL快勝。欧州を牽引するチームに成長したドルトムント (2ページ目)
また、センターバックはソクラティス・パパスタソプーロスとスボティッチが務めたが、ここにフンメルスがいるとまた違ったことになることは明らかだ。ポゼッションが向上するだけでなく、試合をコントロールするボールを繰り出すことができるようになる。
彼らがいれば、ドルトムントは同じカウンター攻撃にしてももう少し緩急をつけられるはずだ。
とはいえ、この日の快勝は感慨深くもある。先に述べたように、3シーズン前のCLでドルトムントはアーセナルと対戦している。同じようにグループリーグ初戦、ホームで対戦した。実力的には拮抗しているとの感はあったが、1-1で引き分けた。ホームで波に乗れなかったことが、その後、マルセイユやオリンピアコスにも歯が立たないという流れを作った一因にもなった。
当時のドルトムントは、どことなく自信なさげに戦っていたのが印象的だった。クラブとしては9シーズンぶりにCLに返り咲いた年。認めたくはないが、名前負けをしているような、歯がゆさを感じた。その翌年、ドルトムントはCLの決勝まで駒を進め、そして昨年は再びアーセナルとグループステージで同組になる。この時は第3戦アウェー、第4戦ホームと続けて対戦。アウェーで勝利したことでグループステージ3連勝としたものの、第4戦は敗れている。少しずつ実績を積み重ね、臆することなく戦えるようになり、そしてこの日は当然のように勝利を収めた。そこにチームとしての成長を感じずにはいられない。
ケールは「全然驚くことではない」と、勝利を振り返った。「我々は良い試合ができると思っていたし、全てを試合で出し切った。まだまだ最初の1試合を終えたにすぎないが、アーセナルとの重要な初戦で良いスタートを切れたことは大きい」と、浮かれる様子もなく語った。
一方でクロップ監督のテンションは少々高かった。「我々はプレッシングサッカーを志向し、それを完璧に表現できた。私はこういうサッカーがとても好きなんだ。アグレッシブかつ意図的なサッカーができた。良いスタートを切れた」
今や欧州を牽引するクラブとして、ドルトムントはどこまで勝ち進むことができるか。香川の活躍とともに今季の注目点になりそうだ。
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