【Jリーグ】FC町田ゼルビアがACLに初参戦 ベテランライターが見た14年前JFLからの大きな進化
連載第67回
サッカー観戦7500試合超! 後藤健生の「来た、観た、蹴った」
現場観戦7500試合を達成したベテランサッカージャーナリストの後藤健生氏が、豊富な取材経験からサッカーの歴史、文化、エピソードを綴ります。
2025-26シーズンのACLがスタート。今回は初参戦するFC町田ゼルビアを取り上げます。後藤氏が始めて試合を見たのは14年前。そこからクラブは短期間で大きく進化を遂げました。
2010年、JFLを戦っていたころのFC町田ゼルビア photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る
【伝統の強いサッカー界で新興クラブが成功】
「伝統の力」というのは思ったより大きなものだ。
Jリーグには「オリジナル10」という存在がある。1993年にJリーグが開幕した時にメンバーだった10クラブのことだ。
それから30年以上が経過し、Jリーグのクラブ数は60にまで拡大したが、「オリジナル10」のほとんどは今でもしっかりJ1リーグで戦っている。
10のクラブのうち消滅(合併)した横浜フリューゲルスを除く9クラブのうち8クラブが2025シーズンでもJ1リーグに所属。残るひとつであるジェフユナイテッド(当時は市原。現在は千葉)は、このところずっとJ2で戦っているが、今シーズンは激しい昇格争いを繰り広げている。
「オリジナル10」以外でも、強豪チームのほとんどはJリーグ発足前からの長い歴史を背負っている。
たとえば、今シーズン、リカルド・ロドリゲス監督の下で優勝を争っている柏レイソルがJリーグに参戦したのは3年目からだったが、前身は日立製作所。1950年代、日本サッカー界が大学中心から実業団中心に変化していく頃からの実業団の雄であり、1965年の日本サッカーリーグ(JSL)発足時の「オリジナル8」の一員である。
今シーズン、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)に出場するクラブのうちヴィッセル神戸の前身は1966年創部の川崎製鉄。1986年以降はJSL2部で戦っていた。そして、サンフレッチェ広島(東洋工業)はJリーグの「オリジナル10」であると同時にJSLの「オリジナル8」でもあり、JSLの第1回から第4回まで4連覇を成し遂げた伝統クラブだ。
それほど「伝統の力」が強いサッカー界で、新興クラブが参入してトップリーグまで昇格を重ねて成功を収めるのは容易なことではない。そんななかで、見事に強化を果たしたのが、いよいよACLEに初参戦するFC町田ゼルビアである。
著者プロフィール
後藤健生 (ごとう・たけお)
1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。1964年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、1974年西ドイツW杯以来ワールドカップはすべて現地観戦。カタール大会では29試合を観戦した。2025年、生涯観戦試合数は7700試合を超えた。主な著書に『日本サッカー史――日本代表の90年』(2007年、双葉社)、『国立競技場の100年――明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』(2013年、ミネルヴァ書房)、『森保ジャパン 世界で勝つための条件―日本代表監督論』(2019年、NHK出版新書)など。

































