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【Jリーグ】川崎フロンターレ・長谷部監督の大胆起用 興味深い「改革」を選手はどう受け止めているのか

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 川崎フロンターレの"改革"が興味深い。

 今季の川崎は、昨季まで8シーズンにわたって指揮を執った鬼木達監督に代わり、長谷部茂利監督が就任。重要な転換点を迎えている。

今季から長谷部茂利監督が指揮を執る川崎フロンターレ photo by Kishiku Torao今季から長谷部茂利監督が指揮を執る川崎フロンターレ photo by Kishiku Toraoこの記事に関連する写真を見る 一般論で言えば、長く指揮を執った監督を代えることには、それなりの困難がともなう。長期政権下での成功体験が記憶に残るなか、すぐに結果が求められる一方で、大きく何かを変えようとすれば、反発を招きかねないからだ。

 とはいえ、鬼木監督時代を振り返ると、就任1年目からの5シーズンでは2度のJ1連覇を果たしたものの、その後の3シーズンは、カップ戦タイトルの獲得こそあったが、J1の順位は、2、8、8位。ジリ貧状態に陥っていたことは、数字が示している。

 ひと桁順位を保った昨季も、優勝争いに絡むどころか、J2降格を危ぶまれた時期もあり、むしろここまでよく巻き返したというのが、率直な印象である。

 この成績では、監督交代もやむを得ない。新たな指揮官を迎え、チーム再建を図ることは、川崎に必要な一手だっただろう。

 しかしながら、長谷部監督にとって、この役回りが厄介だったのは、就任1年目にして、非常にイレギュラーなシーズンを迎えることになったからである。

 2月に入り、J1の新シーズンが開幕。それと同時に、昨年から続く、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の戦いも引き継がなければならない。必然、試合日程は過密になった。

 とりわけ3月29日以降は、すべて中2、3日の間隔で、J1の7試合をこなす強行日程。これでは練習時間の確保も難しく、自らが志向するサッカーを落とし込んだり、戦術的な修正を図ったりするのは難しかったはずだ。

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