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【Jリーグ】川崎フロンターレ・長谷部監督の大胆起用 興味深い「改革」を選手はどう受け止めているのか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 ところが、新指揮官はメンバーを固定してチームの成熟を急ぐより、選手の疲労回復やケガのリスク回避を優先。選手のローテーション起用に努めた。

 その結果、出場機会が多くの選手に分配され、これまでに合計29人もの選手がJ1のピッチに立っている(うち26人は、最低1試合は先発出場している)のだ。

 そのなかには、大関友翔、神田奏真、土屋櫂大といった18~20歳の選手も含まれる。

 長谷部監督の言葉を借りれば、決してローテーションありきではなく、「出るべき選手がチャンスをつかんだ」ということになるのだが、いずれにせよ、それが有望株の貴重な実戦経験につながり、選手層を厚くしていることは、間違いあるまい。

「年齢で判断される職業ではないので、監督がいいと思った選手(の年齢)が下であったり、上であったりするだけ。監督はそんなに年齢で(選手を)見ていないのかなと思う」

 そう語るベテラン、家長昭博は、「でも」とつないで、若手への期待を言葉に込める。

「若い選手は、チャンスを得られる機会があると思うので、もっともっとやってほしいと思うし、試合に出ることがすべてじゃなく、もっともっとこのクラブでは高いところを求められていると思うので、今その基準はもうちょっと上げなきゃいけないと思う」

 新指揮官にとって、きっと今季は難しい判断を迫られることの多いシーズンだろう。試合日程が過密だからといって、川崎は負けが許されるクラブではないからだ。

 だが、そんな状況にあっても、長谷部監督の選手起用はなかなかに思いきりがよく、大胆なものに見える。

 家長もまた、「選手からしたら、(ローテーション起用に)メリットはあると思う。ある程度の試合数に出ている選手は何人かいるが、その他はいろんな選手に(試合出場の)チャンスがある。勝てなかったりすると、結果論としてデメリットが出てくるが、何をしたとしても、メリットも、デメリットもあるものなので、当たり前のことかなと思う」と語り、その有効性を口にする。

 川崎はここまでJ1で12試合を戦い、4勝2敗6分けの勝ち点18。クラブごとに消化試合数が違うが、暫定順位では6位につける(4月20日開催分終了時点)。

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